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« 田宮 虎彦 || 「文化祭」(前編) »

司馬 遼太郎

物事は両面からみる。それでは平凡な答えが出るにすぎず、
智恵は湧いてこない。いまひとつ、とんでもない角度――
つまり天の一角から見おろすか、
虚空の一点を設定してそこから見おろすか、
どちらかしてみれば問題はずいぶんかわってくる。

◇当たり前の結論と突拍子のない結論。私たちは、この両方の結論を
用意しておくことだ。

◇物事を当たり前の視点で見れば、今までと変わらない結論になるだ
けで、何ら自分の新しい側面を発見できないが、リスクはそれほど大
きくはないだろう。

◇物事を突拍子もない視点で見れば、今までとまったく違う結論にな
るだけではなく、今までの自分と違う新たな自分の発見が出来るかも
知れない。しかし、リスクは、当たり前の結論以上に大きくなる。

◇私たちは、今まで培った自分なりの視点で物事を見て、結論付ける。
そして、その結論が、今までの自分を形作ってきたのだ。

◇それはそれでよいことなのかもしれないが、もし、自分自身が、そ
ういう自分から脱皮したいと考えていたり、時代が、状況が、そうい
う自分ではない違う自分を求めていたりするのであれば、新しい視点
で物事を見て、結論付けてみることが必要になる。そうすれば、自分
の行動が変わっていくからだ。

◇私たちに必要なのは、固定的な視点ではなくて、流動的な視点なの
だ。それも、自分の置かれた状況に対応できる視点なのだ。状況を打
破できる結論を持つために、私たちは、二つの両極端の結論から出発
して、最適解を選択することなのだ。

◇自分の選択するものは一つだが、その一つのために、複数の視点で
結論を用意することなのだ。そういう視野を私たちは持つことだ。

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