バーナード・ショウ
人類から愛国心を叩き出してしまわないかぎり、
あなたがたは決して平穏な世界を持たないだろう。
◇今から二十五年前、私は、毎日のように居酒屋で熱い議論をしていた。
その当時の議論の一つが環境問題で、環境問題が、国際的な問題になれ
ば、国単位の議論から国を超えた議論になっていくから、その時国境は
意味をなさなくなると主張していた。
◇そんな私の主張は現実的には、何もならなかったが、今日の言霊で、
もう一度国について考えてみたいと思った。それも今流行りの「愛国心」
を。
◇今日の言霊でいう「愛国心」とは、国を「無条件で」愛する心を言って
いるように思う。
◇自分の生まれ育った地域を愛することは、人間の情として、それ自体
を云々するつもりはないが、任意的な国や国家体制を「無条件で」愛す
る(=忠誠を尽くす)ことは、人間のすることではない。
◇自分にとって、今現在の国や国家体制が、大切なものなのかどうなの
かは、自分自身の判断だ。どんな時にでも盲目的に国や国家を肯定する
ことは、戦争に対する危険性を自らが押し上げてしまうことになるのだ。
◇つまり、愛国心で重要なのは、国に対する愛し方だ。この愛し方を問
うことなしに、無条件で愛国心を肯定してはいけないと思う。愛国心と
いう美辞麗句に惑わされてはいけない。

