「文化祭」(前編)
『ボンダンス』と書いてある。
初めて目にするその単語がとても気になる。それは一体何か。予想してみ
る。やはり、これは「ダンス」を一塊として考えたほうが良いだろう。な
らば、「踊り」の種類ということだ。
「パラパラ」なるダンスが流行っていたが、そういう類かもしれない。で
は、ポイントは「ボン」である。
『ボンダンス』と書いてある。
初めて目にするその単語がとても気になる。それは一体何か。予想してみ
る。やはり、これは「ダンス」を一塊として考えたほうが良いだろう。な
らば、「踊り」の種類ということだ。
「パラパラ」なるダンスが流行っていたが、そういう類かもしれない。で
は、ポイントは「ボン」である。
「ボン」。旧西ドイツの首都・・・。ボン発祥のダンス、日本上陸!
うん、絶対、違う。
「ボン」。英語だとすると、「bomb」が思いつく。「爆弾」。弾けるような激
しいダンスなのか。いや、「bone」かも。「ロボットダンス」というのがあ
るくらいだから、「骨ダンス」があってもいい。
しかし、「bone」はどちらかといえば「ボーン」と伸ばす。「ボン」ではな
い。
生徒達が懸命に問題に取り組んでいるというのに、僕はこんなことを考え
ていた。自分のことながら、全くけしからん限りである。
中3難関国私立受験コースが9月より取り組んでいる入試実践演習の時間
のことだ。授業は問題演習の後、解答・解説という流れだ。
教材は有名私立高校入試の過去問題を使用し、生徒には解答用紙を配布す
る。
解答用紙の名前の記入欄には、自分の名前の上に、「受験番号」を書く欄
がある。実際の受験ではないので、もちろん受験番号なんてあるわけがな
い。
戯れに僕は言った。
「じゃぁ、受験番号のところには、学校の文化祭でやる出し物でも書い
といて、でなければ、塾の生徒番号」
そして、演習突入である。生徒が問題を解いている間、僕は生徒の解答
状況をチェックして回る。
みんな素直でいい生徒達だった。受験番号の欄に、本当に文化祭の出し
物が書いてある。
「合唱」、「演劇」などに交じって、それはあった。
「ボンダンス」。
祐子の解答用紙だ。同じクラスの孝則の解答用紙をチェックする。やは
り「ボンダンス」。
生徒の解答をチェックしながらも、僕の頭を「ボンダンス」が駆け巡っ
た。
「ボンダンス」って一体・・・。
次回へ続く。
○(登場する子供は仮名です。)
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
荒木 崇(チーフ・コンサルタント)

