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イエロー

元来陽気な性質なので、黄色が好きである。

・・・であるから、絵を描くにしても、ついつい、黄色いモチーフを探してしまう。

生物ならレモンとか、ハチとか、風景であれば、
北欧の独特の黄色に塗られた壁などは、私の絵心をそこそこくすぐるものである。

となれば、当然、黄色の絵の具を多用するわけだが、
なぜか、私の使う黄色は、デンジャラスである。

さわやかな黄色を表現する場合には、なんといってもカドミウムイエローだが、
その主成分は硫化カドミウムで、カドミウム塩の水溶液に硫化水素とか
硫化ナトリウムをくわえると沈殿してできあがる。


非常に透明感のある黄色だし、イタリアの光のように派手で魅力的なのだが、
そうしたものにつき物の、おろしい毒性を持っていて、
「毒物及び劇薬取締法」の劇薬に指定されているほどである。


もう一つの黄色はクロムイエローだが、
こちらはクロム酸ナトリウム水溶液と硝酸塩水溶液とを混ぜ合わせてつくる。

このイエローはカドミウムイエローほどではないが、やはり有毒である。

色は、東洋のややくすみのある重い黄色で、重厚さを出すのに適している。

 こうしてみると、われわれの環境をにぎわしてくれる人工の色の世界は、
化学薬品を化合させて作られていることに気がつく。

それらは、当然自然界にはないものなので、どれも、生命体にとっては、
程度の差はあるわけだが、招かれざる色物と考えたほうが良い。

とすると、日本の伝統家屋のような、人工色の少ない、
自然の素材を生かしきった建築物は、環境の面からいっても、
美的観点からしても、非常に好ましいものであることになる。

なかなか黄色を使うチャンスが少ないので、
私のようなわがまま爺には不満足なモチーフであるわけだが、
このこと自体が、日本の自然な文化の環境的な好ましさを証明しているのかもしれない。


担当:関口


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