塾経営、塾の起業コンサルタントが語るブログのトップへ戻る
« 徳冨 蘆花 || コーチング »

「報告」(後編)

○前回のあらすじ

授業前、亮太と正浩(小6受験)は「どこまで高い所に手が届くか」と
いう競争をし、黒板の上の時計を落とし、文字盤を覆うガラスを割って
しまった。

二人は室長へ呼ばれ、職員室へ。室長が二人に何やら話したのだが・・・。

この一件の翌日のことだ。授業後、受付の机に菓子折が一つ置いてあっ
た。


保護者面談などの折に、ありがたいことに手土産をわざわざ持って来て
くださるお母さんがいらっしゃる。今日は誰かの面談だったかと考えた
が、面談期間は終了したばかりだ。


僕が菓子折を見たのを気付いたのか、室長が声をかけてくれた。

「正浩のお母さんから」

「あっ、アイツ、しゃべったんですね」

実は、室長は二人を職員室へ呼んだ際、怒鳴るわけでも、注意するわけ
でもなく、こんなことを言った。


「今日、うちに帰ったら、お母さんでもお父さんでもいいから、時計を
壊したことをちゃんと報告するんだぞ」


以上、である。


時計を壊したときの反応、そして、職員室へやってきた二人の様子から
十分反省していることを室長は感じたのだろう。で、あるなら、これ以
上叱る必要はない。僕の勝手な想像ではあるが、こういう判断だったの
ではないか。


叱られると思っていた二人も拍子抜けだったに違いない。「うちに帰っ
たら親に報告しろ」。この一言だけだったのだから。


しかし、これは見方を変えれば、随分と厳しい試練である。自分で自
分の失敗を報告するのだから。


きっと、ものすごい葛藤があったことだろう。ガツンと怒鳴られてそ
れで終わったほうがよっぽどラクだったかもしれない。


「えらいなぁ」。僕は思わず口にしていた。

「うん、えらいよな」と室長。

「僕だったら、絶対、しゃべりませんよ。黙ってますね」

「俺もだなぁ」


室長もまさか本当に正直に親に報告するとは思っていなかったらしい。
しかし、正浩は帰ってからお母さんに時計を壊したことを話した。正
浩から話を聞いたお母さんが、正浩に菓子折を持たせたのだ。


「さっき、正浩のお母さんに電話して、『エライ』ですねって話しを
したよ」

黙っておけば分からない。僕なら黙っておく。にもかかわらず、し
っかりと報告をした正浩の素直さに感心した。そして、今思えば、
この室長のやり方は二人にはかなり『酷』だったなと感じる。


(登場する子供は仮名です。)


合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
荒木 崇(チーフ・コンサルタント)

http://www.management-brain.co.jp/

塾の起業、経営に役立つMBAのメルマガへの登録はこちらから

MBAをお気に入りに追加する 塾経営のサクセスネットMBAのホームページはこちらへ

カレンダー

2010年08月
Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
塾の起業、塾経営についてお電話ください。045-651-6922まで。