教育基本法の改正の狙いが知りたい!
【記事】教育基本法改正案 賛成派、反対派が特別委で質疑
朝日新聞(11/9)より以下抜粋
『審議が大詰めを迎えている衆院の教育基本法特別委は9日、4人
の参考人を招き、教育基本法に関する意見を聞いた。
【記事】教育基本法改正案 賛成派、反対派が特別委で質疑
朝日新聞(11/9)より以下抜粋
『審議が大詰めを迎えている衆院の教育基本法特別委は9日、4人
の参考人を招き、教育基本法に関する意見を聞いた。
安倍政権で設置された教育再生会議の座長代理の池田守男・資生堂
相談役は「社会が大きく変化し、物質的な豊かさが達成される一方、
日本人の美徳が失われていると感じる。教育の再生は喫緊の課題で、
教育の理念を定めた基本法の改正は当然、必要と考える」と陳述。
若月秀夫・東京都品川区教育長も「戦後の学校教育が克服すべき課
題として、児童生徒中心主義がある。改正案は戦後日本教育の足ら
ざる部分がきちんと明記されている」と、改正案に賛成の立場から
話した。
一方、尾木直樹・法政大教授は「改正案は教育の目標で『態度を養
う』としているが、態度というと、現場は評価項目を決めてしまい、
形式的な形を決めていく。人格、感性の形成から離れ、逆に心が育
たない」と指摘。』
*私からのコメント
◇教育基本法の改正が、どんどん現実味を帯びてきた。憲法改正の
外堀として、教育基本法改正があるように思うのだが、誰もそのこ
とを指摘しない。それは、憶測の域を出ないからだ。しかし、現実
的なことを基にして考えてみれば、その憶測もそれほど、外れてい
ないように思うのだが、どうだろうか。
◇まず、どうして教育基本法の改正をしなければならないのか、全
くわからない。記事の中に、資生堂の相談役が、改正応援団長とし
て、「社会が大きく変化し、物質的な豊かさが達成される一方、日
本人の美徳が失われていると感じる。教育の再生は喫緊の課題で、
教育の理念を定めた基本法の改正は当然、必要と考える」と書いて
あるが、この内容を実現するために、教育基本法を改正する必要な
どないはずだ。
◇普遍的な教育の目標を規定している教育基本法を改正しなくても、
日本人の美徳のようなものは、どんな教科でも教えられるはずだ。
世界史を必修にするのならば、日本史と地理でも必修にして、日本
の歴史から自然の素晴らしさまで教えればそれで良いではないか。
こんな理由で改正することは、随分無理がある。
◇また、教育自由化論者の若月秀夫・東京都品川区教育長も「戦後
の学校教育が克服すべき課題として、児童生徒中心主義がある。改
正案は戦後日本教育の足らざる部分がきちんと明記されている」と
記事の中で改正に賛成しているが、この発言自体では、賛成の理由
にならない。この発言は、改正することを前提に、新しい基本法案
に賛成しているだけだからだ。しかし、そこを百歩譲ってみてみて
もあまり説得力を持たない。
◇改正する理由が、児童生徒中心主義を克服するべきだとしている
が、それが、改正理由になるだろうか。もし、そうだとすれば、戦
前の教育の理念に限りなく近づいてしまう危険性があって、この理
由では、到底納得できない。
◇改正賛成の客観的理由が、どうしてもはっきりしないのだ。戦後、
アメリカによって作られたって、その理念が普遍的な価値をもって
いれば、それで良いはずだ。つくった人間がどうのこうのではない。
その理念に向けて、どういう教育ができるかだ。
◇国家から教育は自律してこそ、健全な市民が形成されるのに、国
家に教育を隷属させてしまっては、建前も実質も、にっちもさっち
も行かなくなってしまうはずだ。教育の本質的な機能(「他律的な
人間を形成し、管理と選抜を行なう手段」を私たちは知っているが、
教育の可能性(人間の偶発的な出会いや国家が管理できない人間的
な経験などなど)まで、殺してはいけないように思う。
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
代表 中土井 鉄信
http://www.management-brain.co.jp/

