森村 誠一
石を投げれば届くような距離にこの世の天国と地獄が並存している。
◇今日の言霊は、私たちにとって救いでもあるし、呪いでもある。私た
ちの目の前には、幸せと不幸の境界線があるのだが、その境界線が見え
ないのだ。見えていれば、今日の言霊は救い以外のなにものでもないが、
見えていないところに、人生の希望と恐怖が横たわっているのだ。
◇手の届くところに、幸せも不幸もある。それを誰でもが知っている。
だから、私たちは、もう少し頑張れば、幸せが手に入ると思って、ずる
ずると不幸な状態を引きずるのだし、幸せな状態が長くは続かないと思
うから、今を十二分に楽しみたいと、次の努力を怠ってしまう。どちら
にしても、私たちは、見えないが手に届きそうな幸せと不幸の間で、人
生を終えることになるのだ。
◇それが人生の面白みでもあるのだが、もしそういう人生を違う人生に
変えたいのならば、どうすればよいのか。それは、幸せや不幸を自分の
生きる価値観に据えないことだ。結果を求めるよりも、結果を作り上げ
る過程を楽しむことだ。手に届きそうな結果よりも、手に取ろうとする
プロセスを楽しむことだ。そうすれば、見えない幸せや不幸に一喜一憂
することはないはずだ。
◇生きていること自体が、人間にとって、動物にとって幸せなことなの
だ。死に向かってプロセスを楽しむことだ。
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
代表 中土井 鉄信

