舌を出す
つれづれなるままに 馬車道通りからイセザキ町方面にぶらついて行くと カレーの匂いがするあたり
店先に頭部の揺れる女の子がぺろっと舌を出して佇んでいるのが 見てとれる
一見無邪気で おいしいケーキの生クリームを まずは一口お味見!といった可愛らしい様子だ
だが よく考えてみよう
人間 舌を出すのはどんな時か
何か失敗をして それを目撃され イケナーイ! ヤッチャッタ! っていう時
まあ 小さな失敗なんだろう
(大きな失敗の際には青くなるばかりで 舌なんか出してられないからね)
或いは 表面では調子のいいことを言っておきながら 腹の中ではずるいことを考えている時
裏で舌を出している っていう
例えば 偽ブランドを 本物ですよ と売ったり ご主人が会社の金を使い込んだので 内々に済ませたければ300万振り込んでください とサギったりする場合だ
これらの場合は 冷静にかつ常識的に考えれば 相手が裏で舌を出しているかどうか見分けがつくかもしれない
しかし すでに人々から信頼を得ているはずの者が 実はその信頼を裏切ることをやっているなんて 誰が見分けをつけられるだろう ただでさえ人の良い日本人だ そんな「裏舌」を想像すらしなかっただろう
あの無邪気そうに見えた女の子の舌が 実は シメシメの舌であったと あなたは気が付いただろうか
さあ 今度はみんなであの女の子に向かって あっかんべーと舌を出そうではないか
担当:吉田兼子

