正しいこと、適切なこと
◇先日、某ファーストフード店で、コーヒーを頼みました。
「ハイ○○円いただきます。」と女性店員。
そこで、私はすかさずコーヒー割引券と、割引金額を差し出しました。
「失礼いたしました。」と店員はレジを打ち直すのを見て、
「最初に割引券を出せばよかったのだ。悪いことをしてしまったな。」
と心の中でつぶやきました。
そして、「ありがとうございました。」と店員はコーヒーを出して
くれました。
◇冷静に考えると、今回の女性店員の「ハイ○○円いただきます。」
には、何の落ち度もないのです。だから、「失礼いたしました。」は
必要なかったのかも知れません。
悪いことをしたわけでもないのですから・・・。
◇もし、「お客さんが先に割引券を出していただかないと、困ります。
レジの打ち方が変わりますので・・・」ぐらい言われても仕方が
なかったかもしれません。
◇実際、別の機会にお客の立場で、似たような言葉を言われたことを
思い出しました。
言われた直後は、恥ずかしさでいっぱいの気持ちになり、
時間が経つと心の中で、
「そんな言い方をしなくてもいいだろうに、知らなかったのだから
しかたがないだろう。」
と店員を非難する言葉を口走っていました。
◇私たちは、通常正しいことをしようとします。しかし、
正しいことは、今回の店員とお客の関係のように、立場によって
変わることがあります。
正しいこと以上に、適切な対応をすることが大切なことを何気ない
「失礼しました。」で感じました。
◇何の為に正しいことをするのでしょうか。それは、自分も他者をも
傷つけず、互いに幸せになるためではないでしょうか。互いが
気まずくなるような正論の主張は、他者だけでなく結果的に自分自身
を傷つけます。
結果的に、今回の店員の対応のお蔭で、素直に次回は最初に割引券を
出そうと私は気づいたのですから・・・。
◇自分が正しいことをしていたり、言っているのに他人との人間関係が
上手くいかないと感じる時には、ちょっと立ち止まって考える必要が
あるのかもしれません。
『あなたは、相手とどんな関係を持ちたいのでしょうか?』そして、
『そのために、あなたは何ができるでしょう?』
この質問によって、最善の行動を探ってみてください。
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
井上郁夫(シニアコーチ・心理カウンセラー)

