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« 「三者面談対策」(後編) || 宮本 常一 »

夜鳴きカラス

私の敬愛するカラスの話をまた一つ。

最近カラスが夜騒ぐようになった。カラスは、ご存知のことと思うが、
鳥類界の人類といわれるほどかなり賢い鳥なので、
ここ横浜の暮らしに急速に適応している真っ最中のようである。

つまりわれわれは、カラス、そのなかでもクチボソガラスが都会化という一大進化をしている、
ダーウィンが生きていれば泣いて喜ぶ現象を目の当たりにしているところなのである。

 彼ら仲間内のコミュニケーションは、今までのところは単純な言語で成り立っているようだ。
が、このまま都会化が進んでいくと、そうとう複雑な会話が行われるようになるに違いない。
カラスの脳は容量的には人間やらチンパンジーやらとは比較にならないほど小さいものだが、
彼らの頭の大きさを克明に計測統計をとっていけば、その脳がだんだん大きくなっていく様子が
わかるかもしれない。

 カラスの神経信号のスピードは捨てたものではないようで、その学習能力も非常に高いことは、
カラスのいたずらに悩む魚屋さんやら農家の人たちは、地団太踏んでくやしがること何千回という
ところだろう。

 だいたいそうでもなければ、危険なところを徘徊するのが嫌いでない彼らのことなので、
とっくに絶滅しているかもしれない。だが彼らはその賢さのお陰で、北はロシアから南はスーダンやら
南アフリカまで、生臭いところにはかならずどっさり繁栄している。

 山のカラスなら、「おはよう」「お休み」「食いもの発見」「邪魔者発見」「俺の女房だぜ」「出てけ」
そのほか少々のことばでのんびり暮らしていけるだろう。

 しかし、都会化すれば、「やばい食い物だぜ」「逃げろ察だ」「ネオン街に繰り出そう」
「マクドナルドへ行こう」「今日はステーキだ」「今午前6時、あと5分で食い終われ」
「ネコだ、みんなでツッツケ」などなど、語彙も表現も豊富かつ複雑化せざるを得ないだろう。

 カラスの夜鳴きが進化の象徴とすると、賄賂にころっといく官僚やら、保険料をごまかして
設ける医師などがわんさと出てくる日本の昨今は、人間文化の退化の象徴のような気がする。

西の方で、東という芸能人出の県知事が新に誕生したが、大阪の例を踏襲しないように、
官僚出身者の多い知事の中にあって、よい意味で異彩を放ってほしいものである。


担当:関口

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