国境
アフリカの地図をみると、定規をあててひいたような
まっすぐな国境に気がつく。実際、これらは、ひげを生やした
生臭いおっさんたちが地図の上に定規で線を引いて決めた国境である。
現地の歴史とか文化とか人間の動きやら生活などはまったく考慮せず
えいやっとひいてしまったに過ぎない。国境の周辺に生活していた人々は、
ある日突然かってに引かれた線の向こう側の親戚と引き離されて、
違う国民にされてしまったわけである。
同じようなことは、朝鮮半島でも起きたわけだが、こちらは定規で
引くわけにも行かず、国境策定時の実効支配という面倒くさくて生臭い
力関係にそって線引きがされた。いずれにせよ、たまたま離れて
暮らしていた家族や親戚・恋人たちは、とんでもない悲劇を刻印されて
しまったことになる。
歴史にそって作られた国境の場合には、国境の向こう側とこちら側
ではまったくことなる生活が引き継がれるので、たとえば、フランスから
スペインに入れば、突然すべてがスペイン語に変わってしまう。
フランス側からはバカンスでなければスペインへ出向かわかないが、
スペインからは、なんとか働き口を探そうと国境を越えて入ってくる
スペイン人がたくさんいたりしたものである。
地球上に国境という傲慢な線をひいたのは人間なので、鳥には国境はなく
パスポートも税金も払わずに自由に空を飛んでいきたいところに飛んでいく。
これは、国境沿いの川に住むカバもワニもゾウも同様であって、動物たちには
国境はない。えさを求め、素敵な彼や彼女を求めて、ケニアからウガンダ、
ウガンダからスーダン、気が向けばもうちょい行ってエチオピアと、彼らは地球を
実に自由に使っている。
こう考えると、国境というのは、人間のおろかさの象徴に見えてくる。
地面に線を引いて、それからこっちへ来るなとか、少しでも遠くに線を引こうと
戦車だ戦闘機だと物騒なものを発明して、何百万、何千万の仲間を殺し殺されてきた。
国境がないと、いろいろ都合の悪いこともあるだろうし、当初はがたがたする
だろうがそれは一時のことだ。国境など早いとこなくして、人間同士仲良く
暮らしたいものである。ついでに、我が家の垣根も取っ払って、心の垣根も
取っ払って、和気藹々と暮らせたらどんなに楽しいだろうか。
昨日見た夢の続きだが、
ジョン・レノンが歌ったイマジンの世界を、みんなが望めば、
世界は確実に平和な天国に変わるだろうにと思うのだ。
担当:関口

