教師の当事者意識が、いじめを発見する!
【記事】北海道教委調査で5人に1人「いじめられた」(北海道)
読売新聞(2007年3/6)より以下抜粋
『道教委は5日、札幌市を除く全道の児童生徒と教員計約46万人を
対象に行った「いじめ実態調査」について、教育委員に中間報告をし
た。児童・生徒の5人に1人が、「いじめられたことがある」と回答。
教員の5%がいじめを把握しながら「対応しなかった」と答えていた。
○今回結果が公表されたのは、同調査の選択式質問への回答。いずれ
も昨年4月以降から調査回答時点までの期間を対象に質問した。
○調査に回答した児童・生徒計31万263人のうち、昨年4月以降、
いじめられた経験があると答えた児童生徒は計5万8664人(18・
9%)。「友だちをいじめたことがあるか」との問いには、計3万6
026人(11・6%)が「ある」と回答、うち5722人(1・8
%)が「今もいじめている」と回答した。
○いじめを受けた際に相談した相手では、保護者が多く、学校の先生
は、学年が上がるにつれ、低くなる傾向が出た。誰にも相談しなかっ
たと回答した児童・生徒もおり、教育委員からは「いじめのサインに
気づくのは難しいと改めて認識した」「学校と家庭との間に信頼関係
が必要なのに、壁があるのではないか」といった指摘があった。
○一方、調査に回答した小中高校、盲・ろう・養護学校の教員計2万
3232人のうち、「いじめの事例を認識したことがあるか」との問
いには、1万740人(46・2%)が「ある」と回答。「いじめ解
消に向けて対応したか」との問いには9077人(84・5%)が「
対応した」。このうち、「現在は解決した」は6991人(77・0
%)、「継続している」は188人(2・1%)だった。
○また、教員がいじめを認識した契機は、全校種で「他の教師からの
情報で発見した」が最多だった。
○いじめを認識しながら「対応しなかった」と回答欄に記した教員は
1170人。理由には「他学年の子だった」「校内組織で対応したが、
自分はその一員でなかった」などが多かった。
○吉田洋一教育長は「教員の率直な声を聞けたと考えている。行政と
学校、家庭が連携していくためにはなにが必要なのか、検討をしてい
く」と述べた。
○中間報告の詳細は、きょう6日午後、道教委のウェブサイト(ht
tp://www.dokyoi.pref.hokkaido.l
g.jp/)でも公表される。』
*私からのコメント
◇学校でのいじめの問題については、去年の暮れから随分と報道され
てきているし、教育関係者が随分と議論もしている。が、いじめを撲
滅することは非常に難しいと思われる。それは、元来集団が持ってい
る本質的な排除機能が、学校の中にもあるからだ。誰かをスケープゴ
ートにして集団を維持していく機能が、どの集団の中でも基本的には
あるのだ。だから早々容易くいじめはなくならない。子どもだけでは
なく、大人の世界でもいじめは集団についてまわるものなのだ。
◇しかし、学校でのいじめの問題は子ども同士だけの問題ではなく、
親の問題・教師の問題としての側面があるから、大人社会でのいじめ
とは多少性質を異にする。学校には教師というアンパイアーがいるし、
親という応援団がいる。だから大人社会のいじめ以上に難しくもなる
し、逆に解決する可能性も出てくる。
◇今回の記事を読むと、いじめにはもしかすると教師が気がついてい
る場合が多いのではないかと思う。記事の中の「いじめの事例を認識
したことがあるか」との問いには、1万740人(46・2%)が「
ある」と回答していることから考えても、半数近い教師はいじめを発
見していた可能性がある。そして、その発見方法は、他の教師からの
情報が多いのだ。ということは教師集団として考えれば、非常に多く
の教師がいじめを認識していたように思われるが、どうだろうか。
◇その前提に立って考えると、いじめは教師の当事者意識次第で未然
に抑止できる可能性があるということだ。学校内で発見された全ての
いじめは教師や職員全員の問題だと考えれば、いじめの撲滅は難しい
だろうが、いじめを発見して解決することは出来そうな状況なのかも
しれない。教師がセクト主義や傍観者主義を超えて、ひるむことなく
生徒集団の中に誰かれなく入っていけば、いじめは早期で発見されて、
子ども時代のひとつの出来事で終わるかも知れない。
教師に当事者意識を望みたいところである。
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
代表 中土井 鉄信

