どんな対応が考えられますか?Ⅲ
◇前回、体調が悪いと訴える人(Aさん)に対して、相手の気持ち(感情)
に注目して、相手の言葉をそっくりそのまま繰り返し、共感する「それは
辛いね~」「きっと辛いだろうね~」という対応の一つを紹介しました。
◇今週は、質問で対応してみましょう。
あなた:「そんなに辛いのに、君が来たのは何があったからだい?」
如何でしょうか。どんな答えが考えられますか?
◇例えば、
相手:「今日、仕上げなければいけないことがあったからね。」
あなた:「それは大変だね。何か手伝えることがあったら言ってね。」
という会話が好意的な一般的な会話でしょうか。
◇他にこんな会話例もあります。
相手:「こんな厳しい状況で休んでなんかいられないよ。」
あなた:「どんな厳しい状況なんだい。」(拡大質問)
相手:「だって、今、この部署は、人手が足りなくて、全部自分に仕事が回
ってくるんだ。全くやんなっちゃうよ。」
あなた:「そうなんだ。ところで何にやんなっちゃうんだろう。仕事が多い
とうことなのかな~。」(共感、拡大質問)
相手:「仕事が多いのもそうだけど、僕でなくてもできる、つまらない仕事
までやらなくちゃならないんだよ。」
あなた:「そうか。仕事量が多いということもあるけれど、自分が納得できる
仕事をしたいということなんだね。」(要約)
相手:「そうだね。」
あなた:「ところで、君がしたいと思っているのはどんな仕事なんだい。」(拡大質問)
相手:「実はね。・・・」
◇このように積極的傾聴(言葉だけでなく、背後にあるメッセージを聴く姿勢)
と一般化された言葉を拡大質問で解き明かし、未来質問で望む成果を探ってみ
るとどうでしょう。
◇こんな会話が展開されれば、相手の体調が悪い。という訴えも様相が変わっ
てきますね。最後の拡大質問あたりから相手の態度や表情が前向きに変わって
くる可能性が十分に考えられます。
これが一般的な会話とコーチングを使った会話の違いです。
◇最後に復習を兼ねて演習です。
最初のあなたの質問に対して、次のような答えが返って来た時の質問や対応も
是非考えてみてください。イメージの中でリハーサルすることで、本番でスッ
と対応できるようになります。
「だれも手伝っちゃあくれないからね。自分でやるしかないだろう。」
「本当は休みたかったけれど・・・」
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
井上郁夫(シニアコーチ・心理カウンセラー)

