塾経営、塾の起業コンサルタントが語るブログのトップへ戻る
« 寺山 修司 || 行動の改善策を探る~その2 »

全国学力テストが、こんなに簡単に復活してしまった!

【記事】学力調査、3万校が粛々テスト 不参加校は通常授業

朝日新聞(2007年4/24)より以下抜粋

『全国3万3000近い学校で、小学6年と中学3年のほぼ全員が
一斉にテストに向き合った。

24日午前に始まった全国学力調査。

かつて激しい反対運動が起こり、実施と中止、
拡大と縮小の間を揺れ動いてきた全国一斉テスト
の復活は43年ぶりで、
総額77億円をかけた大事業だ。

一方、愛知県犬山市の公立学校など、
参加しなかった学校では通常の授業が行われた。

○東京都杉並区の区立和田中学校では午前8時45分から約90人
が三つの教室でテストに臨んだ。区や都の学力調査も経験している
ので、生徒も先生も慣れた様子だった。

○1時間目は国語の「知識」を問うテスト。45分で解くが、早め
に終わって机に突っ伏している子もいたという。

○普段から、社会の仕組みへの関心を高める授業をしている藤原和
博校長は23日の朝礼で「全国の小6と中3生が学力テストを受け
ますが、費用はいくらかかっていると思う?」と問いかけた。
 
○生徒からは「30万円」「500万」「4億5000万!」など
の声が飛んだ。昨年度分だけで問題作成や予備調査などの予算が2
9億円だったことを話すとどよめきが上がった。
 
○藤原校長は「約30億といえば、体育館とプールが付いた立派な
校舎を新築できるぐらいの予算。大きな投資をして行う調査です。
いい加減な気持ちではなく、しっかり受けてね」と伝えたという。

    
○全国の公立で唯一不参加となった愛知県犬山市の小中学校では、
通常通りの授業が行われた。犬山北小学校には大勢の報道陣が詰め
かけるなか、子どもたちが笑顔で授業に臨んだ。

○6年2組では1時間目の国語の時間、詩を音読するのにどの部分
を強調したいかなどを班ごとに発表。少人数に分かれて話し合うの
は、市教委が進めてきた「学び合い」の授業の一つだ。子どもたち
は「ここは全員で読もうよ」など、自由に意見を交わしていた。
 
○加地健校長は「犬山の教育は、全国唯一がたくさんある」。瀬見
井久教育長はこの日、「テストの目的がいまだにはっきりしない。
学力を上げるだけなら全員を対象にする必要はない」と改めて反対
の立場を示した。
 
○学力調査はプライバシーの侵害にあたるなどとして、自分たちへ
の調査取りやめを求める仮処分申請をした京都市と京都府京田辺市
の小中学生9人。京都地裁の結論は出ておらず、うち小学生の1人
は24日、保護者と相談して「周りの目が気になるから」と学校を
休んだ。
 
○この児童の保護者は「行くと受けさせられるので、親権者として
登校させない。不当に欠席扱いされるのは不愉快で、引き裂かれる
思いだ」と話した。
 
○私立の参加は全国で6割、特に東京都内では約2割にとどまった。
進学校を中心に「学校行事がいっぱいだし、他の学校と比較する必
要はない」(文京区の桜蔭学園)との声が多い。
     

○文科省の集計によると、調査に参加する学校のうち、国公私立の
計221校が24日には調査を行わず、後日遅れて実施する。修学
旅行と重なるなど日程上の都合のため。問題は24日実施分と同じ
で、同様に採点されるが、全体の集計には加えない。問題を別に用
意しなかったことについて、文科省は「学力を自らチェックするこ
とが目的のため支障はない」と説明している。』

*私からのコメント

◇莫大な予算を投じて実施された全国学力テストだが、このテスト
の結果をどう活用するのだろうか。今回の実施は、以前では考えら
れないことが、いくつもあった。ひとつは、記事にも多少あるよう
に、プライバシーの問題。

◇人権意識の拡大で、教育にまで個人情報の取り扱いが問題になり、
番号制を導入したり、テストを拒否したりということが起こった。
以前ではまったく考えられなかったことだ。

◇このことと関連して、民間に処理を委託した結果、どういう流用
がありえるのかを誰も予想できない点だ。もう一つは、学力テスト
自体が、こんなに簡単に実施されたことだ。1970~1980年
代だったら、どうだっただろうか。大変なことになっていたはずだ。

◇全国の学校が、学力至上主義に徐々に近づきつつあるように思う。
学力テストの結果を公開するしないにかかわらず、定期的に実施さ
れる学力テストの無言の圧力は、非常に強いはずだ。テスト結果を
誰も知らないわけではないからだ。教育行政側や保護者が関心を強
く示すからだ。学力忠誠競争の始まりだと見てよいのではないだろ
うか。

◇根本的な問いを一つ。学力の養成がそんなに大切なのだろうか。
学力の高い生徒が、生きる力が高いのか。この点には、それほど明
確な相関関係はないように思う。それよりは、学力を獲得する過程
の努力が、生きる力を育むのではないのだろうか。

◇それと同じように、何かを獲得する過程の努力が重要なのだから、
学力に限定する必要はないのではないだろうか。そうだとすれば、
学力テストの一斉実施に、大きな予算をつけてやる必要があるのだ
ろうか。そんな思いがする。

◇学力テストを実施することで、何かが免罪符のように進行してい
くことが非常に心配なのだ。大衆教育とエリート教育が、なし崩し
的に存在してしまって、気がついたときには、暗黙の内にコースが
隔離されているような状況が、起こってしまうことは怖いのだ。教
育の方向性を国民に明確に知らせながら変革を実施してもらいたい。


合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
代表 中土井 鉄信

http://www.management-brain.co.jp/

塾の起業、経営に役立つMBAのメルマガへの登録はこちらから

MBAをお気に入りに追加する 塾経営のサクセスネットMBAのホームページはこちらへ

カレンダー

2010年08月
Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
塾の起業、塾経営についてお電話ください。045-651-6922まで。