行動の改善策を探る~その2
◇前回は、理想の姿を再現してもらいました。
上司から指示された仕事を仕上げて提出したときに、
B:『・・・。いいえ、結構いい感じです。
「ヤッター」という感じですね。
それから「ありがとうございました。」という感じです。』
というイメージを引き出しました。
会話例を続けます。
A:『何に「ありがとう」なんだろう?』
B:『今回、上司に途中で相談に言ったんだけれど、忙しいだろうに
親身に相談にのってもらえたんだ。それに対して感謝している
感じです。』
A:『そうか、何度か上司に相談していただんだ。』
B:『今回仕事を受ける時、自分のやる仕事が「何に使われるもの
なのか」、「いつまでに仕上げたらいいのか」、「どんなかたちに
仕上げたら役に立つのか」、「参考にするものは何か」を聞いた
んだ。その上に、「もし、途中で行き詰ったら、相談にのって
もらいたい」ということをお願いしたんだ。』
A:『「相談にのってもらいたい」と言ったわけじゃないだろう・・・?』
B:『もちろん。そんな言い方が出来るわけないよ。』
A:『実際にどのように言ったのか、ちょっと言ってみてくれる。』
B:『エ~。ウン。「今、お話を伺って内容を理解できていると思う
のですが、作業している中で問題が起きるかもしれません。
その時は、お忙しいとは思いますが、相談にのっていただけ
ますか?」』
A:『すごく真摯な感じがするね。私が上司でも、一生懸命やろう
としていると感じて、何でも教えたくなっちゃうな。』
B:『そうですか・・・。』
A:『ありがとう。今までの君の仕事の仕方と比べて何が違っていた?』
B:『今までは、仕事を受けると、「面倒だな~」って感じがあって、
とりあえず「やればいい」とだけ思っていたので、何をどうすると
いう具体的なイメージが湧かないまま仕事を受けちゃうもんだから、
いざやろうとすると何から手をつけようか考えるだけで無駄な
時間が過ぎていたんだ。ところが、今みたいに仕上がった時から、
振り返ってみると、「役に立ちたい」という思いと自分が考えて
出来ないことは、「人の助けを素直に受けよう」という気持ちが湧い
てきました。』
A:『今回の気づきをこれからどのように使う?』
B:『仕事のイメージがある程度湧くまで「確認する」ことと、
「人に相談する」ということを意識的に実行して行こうと思います。』
◇この会話例は、ここで終わります。いかがでしたか?
前回の疑問であった「ありがとうございます。」というのは、単なる
感謝の言葉ではなかったのです。Bさんが他者の協力を得ることに
気づく貴重なキーワードだったわけです。
◇私たちは、潜在意識を言語や態度表情、声のトーンを通して会話の
中で無意識に表現しているものです。これを見逃さずに、質問で背後
にある文脈をあきらかにすることで潜在意識を明確にしていきます。
◇次回は、キーワードを判別する手がかりを考えたいと思います。
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
井上郁夫(シニアコーチ・心理カウンセラー)

