東山 魁夷
私にとって絵を描くということは、
誠実に生きたいと願う心の祈りであろう。
謙虚であれ。素朴であれ。独善と偏執を棄てよ、と泉はいう。
◇誠実に生きるとはどういう風に生きることを言うのだろうか。何に対
して誠実にいることが大切なのだろうか。
◇それは自分に対して誠実にいることだろうか。それとも相手に対して
誠実にいることだろうか。
◇どちらも正しいように思う。
◇今までの私であれば、最終的には自分に誠実にいることが大切だと答
えていた。
◇しかし、そうではないように最近思うようになった。未だ結論は出て
いないけれども。
◇自分に誠実にいることはまず難しすぎる。自分自身を本当に理解して
いない限り、それは出来ないことだからだ。
◇それでは何に対して誠実にいればよいのか。
◇それは自分の置かれた状況に対してではないのか。自分に与えられた
状況に対して、自分自身がその状況を受け入れることとその状況の中で
自分自身が一生懸命最善を尽くすことが自分自身の誠実さではないのだ
ろうか。
◇だから今日の言霊も「謙虚であれ。素朴であれ。独善と偏執を棄てよ」
と言っているのではないのだろうか。
◇自分自身を謙虚にし、あれこれ策を弄さず、素朴に状況に対応するこ
と。独善に陥らず、偏見や拘りを捨てて、状況を素直に受け入れて自分
の最善を尽くすことが重要だと言っているのだ。
◇自分自身の拘りやプライドを捨て、状況に対して誠実に生きることが
私たちに求められていることではないのだろうか。最近、そんな風に私
は思っている。
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
代表 中土井 鉄信

