あの「進研ゼミ」が東京個別を子会社化する!
『はじめに』
◇5月19日に報道されたベネッセの東京個別へのTOB(株式公開
買い付け)を読者の皆さんは、どう受け止めただろうか。先日のセミ
ナーで私の見解を公開したので、今回は、そのことについて触れたい
と思う。
◇あくまで、ここに書くことは、私の予測で、当事者からの取材では
ない。だから、的違いなものになっているかもしれないが、そんな見
方もあるのかと思っていただきたい。
『拠点作りのスタートだ』
◇ベネッセのコア・コンピタンスは、通信教育だが、その通信教育の
課題は、対面式のコミュニケーションをどう形にするかだ。だから、
添削に非常に大きなエネルギーをかけている。あたかも、自分の担任
の先生が、いつもそこにいるかのような演出を心がけているのだ。
◇しかし、そういう演出は、擬似的なものだから、どうしても学習塾
に負ける面を持つ。直接的なコミュニケーションに負けてしまうのだ。
◇2002年の教育改革で、その傾向に危機感を持ったのだろうと思
うが(進研ゼミの会員数が激減したこと)、学習塾の対面教育をどう
取り込んだらいいのか、多分ベネッセは、暗中模索したはずだ。
◇その証拠に、数年前、関西のアップとも資本提携をしたし、(今は
解消している)2年ほど前に、明光義塾と組んで、高校1年生のスク
ーリングを行なった。
◇これは、宣伝等をしないということで上手くいかなかったが、その
流れで、他のFCで、今も続行中だ。また直近では、御茶ノ水ゼミナ
ールを買収した。こういう流れを見ても、ベネッセは、学習塾に非常
に大きな興味を持っているはずだ。
◇それではなぜ、そこまで学習塾に興味があるのか。それは、進研ゼ
ミの拠点作りのためだ。私はそうみている。副次的に、学習塾の各教
室で、ベネッセの開発した教材を使用できるということもあるだろう
が、会員数が、数十万人といわれる進研ゼミの経営資源を最大限活用
して、様々なサービスをしたほうが、圧倒的に効率的だ。
◇だから、スクーリングを含めた進研ゼミの拠点作りに学習塾の教室
を活用しようとしているのだ。
◇今回の、東京個別の子会社化は、そういう流れの一貫だと思う。
そして、この東京個別の子会社化は、その続きが必ずあるはずだ。拠
点数が、首都圏を中心に193校舎しかないのだから、ベネッセが、
これで満足ということはないだろう。
◇東京個別は、一つのきっかけであって(外堀を埋めただけであって)、
東京個別の持っている明光義塾の株が、本丸ではないかと私は思う。
◇明光義塾の全国ネットワーク力を最終的には拠点にしたいはずだ。
全国にある約1550教室が、最終的な狙いではないだろうか。
◇ベネッセは、売上げ規模3500億円を最大限活用し、スピードと
展開の規模の大きさで、既存の学習塾に挑んでいく。学習塾市場は、
非常に大きな波にさらされることになるはずだ。地域に根ざした教室
作りが、急務になっていく。そしてその質がさらに問われることにな
る。
『経営者の視点』
◇ベネッセは、DM名簿も全国学力調査のデータも共に既存の学習塾
の比ではないぐらいに持っている。学習塾の業界に訪れた最大のモン
スターだ。
◇そのモンスターに対抗するには、どうすればよいのか!その答えは
案外簡単なところにあると私は思うが、読者の皆さんはどう思うだろ
うか。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
先週の『大手の危機感に負けない危機感をもつこと!』に対して、
大変貴重なご意見をお寄せ頂きましたので掲載させていただきます。
【読者ご意見】-匿名希望。
私は昔、塾の経営に取締役として携わっていたことがあります。
父の会社を継ぐために、塾の方は2年前に退職しました。
現在は物販系の会社を経営しております。
今回、危機感という題材で書かれていましたが
私の塾の社長は
危機感を周りに煽るのが上手な男で、
「このままじゃ来年この塾はなくなる。」
「チラシ代が出せなくなる。」
「夏期講習で金を取れないと終ってしまう。」
と常に危機感を打ち出していました。
当時の私は反論できませんでしたが、彼以上の大きな舞台でもまれてきた
今の私なら 反論できます。
悲観論の危機感が出たら末期症状です。
社員は「会社のために売上を上げます。」と言いつつ帰りに求人雑誌をコンビニで
買っていくことでしょう。これは、 社長だけの危機感であるからです。
逆に他でも雇ってくれる優秀な人材ほど見切りをつけてやめていきます。
悲観論の危機感は組織で共有できません。(戦国時代なら別ですが)
私も危機感は全員に植え付けています。
ただし「これが達成できなかったら次のステージに行けない。
足踏みしてしまう。未来に進むためにも絶対達成しよう。」
前向きな危機感ですが。
この危機感が出たときは、私をはじめ全員1日18時間労働も辞さない
覚悟になります。
私があえて感想をメールしたのは下手に危機感を煽って組織の活力をなくして
しまう塾長が出てしまうのではと危惧したからです。
組織の活力がなくなると現場も活力がなくなり、
子供たちも活力がなくなります。
子供たちを元気にする塾が1つでも増えて欲しいものです。
*****************************************************************
◇この読者様へ中土井がお返事させていただいたものは、以下のとおり
の内容となりました。
【中土井より読者様への返信】
コメントありがとうございます。ご指摘のとおりだと思います。
下手に危機感を煽ると現場は臆病になり、疲弊し、活力がなくなります。
しかし、経営者に前向きな危機感がない限り、昨日よりも今日がよいもの
になりません。メールの中にあるように、前に進むための危機感をぜひ、
持ちたいものです。
これからも、なんかありましたら、コメントください。
読者の皆さんもお気軽にコメントください。お待ちしております。
*****************************************************************
◇この度は、大変貴重なご意見・ご感想をお寄せ頂きまして、
誠にありがとうございました。今後も、読者の皆様より沢山のご意見・
ご感想をお待ちしております。
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
代表 中土井 鉄信

