自分のことは自分で決められるのです
◇先日、学習塾に勤める20代の若者(Aさん)の相談を受けました。
もともとは、彼から積極的に相談をしてきたわけではないのですが、仕事の
上でお付き合いがあり、最近、元気のない様子が見えたので、
「もし良かったら、話を聞かせてくれない?」と会話の機会を提示したら、
「是非お願いをしたい。」ということで実現しました。
◇以下その時の会話です。
私:「最近、元気がないように感じているんだけれど。」
A:「そうなんです。最近、悩んでいるのです。」
私:「どんな悩みなんだい。」
A:「もともと、学校の教師になりたいと思っていたのですが、塾もいい
かなと思って、この業界に入ったのですけれども・・・。
最近、このまま塾を続けてやがては独立でもしたらいいのか、昔夢だっ
た学校の教師になったらいいのか困っているんです。」
私:「この時期に、何がきっかけで、この悩みを抱えるようになったの?」
A:「実は、今年の初め、教員採用試験を受けようと、勉強を始めたのです
が、最近、とにかく仕事が忙しくて、勉強どころじゃなくなっちゃっ
たんです。そこで、自分は、このまま仕事に没頭して、やがて独立するの
もいいのかな・・・。て思ったり、今すぐ仕事をやめて、勉強に打ち
込んだ方がいいのかな。と思ったりしているのです。」
私:「本当は何をしたいんだい?」
A:「学校の教員になりたいです。」
私:「それじゃあ、話はきまりじゃん。悩むことは何もないじゃん。」
A:「でも、今のままじゃとても勉強ができるような環境ではないし、塾で
何年か勤めて、いろいろなことを学ばせてもらったのに、何も恩返しが
できないんです。」
私:「後ろ髪を惹かれるような感じかい?」
A:「そうなんです。このままじゃやめられないって、言う感じです。」
私:「やり残していいることはどんなこと」
A:「~(省略)です。」
私:「今年か、来年のうちに学校の先生になりたいの?」
A:「いいえ。今の仕事が一段落して、納得したところでなれたらいいな~。
と、思っています。」
私:「まだ、君は若いから少なくとも10回位チャンスがあるもんね。」
A:「そうですよね。まだまだチャンスがありますね。それまで、やり残し
たことをやってみます。」
◇話を終えたときには、話し始めたときとはまったく違うさわやかな表情が
印象的でした。
◇その後の彼は、吹っ切れたように、誰が見ても人が変わった様子で日々の
業務に取り組んでいます。先日も電話で「今年の教員採用試験はあきらめま
した。」と明るい表情で報告してくれました。
◇彼は、周りの環境に支配されることなく、自分で自分をコントロールして
決断をしていたのです。
◇彼が、納得した形で、いつの日か学校の先生として教壇に立っていること
でしょう。彼の活躍が楽しみです。
◇人は自分で決断できる存在なのです。だから、意見を言うことより話を聞
くことが大切なのです。

