ある塾長の塾見学!
『はじめに』
◇大阪の顧問先に、創業4年目で、33歳のおもろい塾長がいる。異業
種からある事情で突如として塾業界に入ってしまった男だから、本物の
塾を経験していないし、見たこともない。そこで、本物の塾を見たいと
いうことで、私の顧問先で、好対照の塾を二つ見学してもらった。
◇一つは、神奈川県の老舗学習塾。この塾は、非常に綺麗だが、未だに
長いす、長机で、生徒をギュウギュウ詰めにしている塾だ。もう一つは、
東京の下町にある世界一汚い学習塾。校舎自体が古臭いし、狭いし、臭
いし、商店街の中にあって、目立たないし、とまあ劣悪な状況の中で、
必死にやっている塾だ。
『どこの塾も同じ悩みを抱えている』
◇まずは、その塾長を顧問先の室長会議に参加させた。7月の在籍生の
入会と退会の分析、夏期講習の集客の中間報告、7月の戦術の確認がそ
の会の内容だ。
◇私の顧問先では、大抵在籍生徒数をオープンにさせているので、室長
会議では、突っ込んだ話が出来る。そして、室長の行動を意識化させら
れる。具体的な数値が、上げられるからだ。その日も、退会者分析を徹
底した。退会の原因が、日頃の生徒フォローにあるのか、それとも保護
者面談の時に、不用意な発言があって、それが引き金になっているのか、
様々な角度から分析をして、他校舎の失敗を共有するのだ。大きな塾で
も、生徒一人ひとりの退学を徹底して分析する。
◇その塾長曰く、「大きな塾も、うちのようなヒヨっ子塾も悩みは同じ
で、いかに生徒と向き合って、生徒を指導していくかなんですね。それ
と保護者に対応することが重要なんですね」。
◇次に、経営会議にその塾長を参加させて、塾業界について理解を深め
てもらった。ここで、私は別の顧問先に行くことになっていたので、あ
とは顧問先のNO2に任せた。その塾長は、校舎ミーティングに参加し、
授業見学をして、そして接待を受けて帰ったらしい。
◇翌日は、その塾長は、昼間から世界一汚い学習塾に見学に行き、通常
業務の風景と授業を見学して、その夜に私とミーティングを持った。
◇その塾長に授業の感想を聞いた。「教師の基本動作が、徹底していま
す。生徒を一発で動かすテクニックは、凄いですね。うちなんか、なか
なか生徒がいうことを聞きませんからね。授業の上手い下手はあるけれ
ど、どの先生もしっかり生徒掌握しているんですね。」と感心していた。
◇その塾長曰く、「二日間で感じたことは、どの塾も悩みは同じで、ど
ういう風に解決するかで、塾の特徴が出ていました。A塾は、組織とし
て解決しているように見たし、B塾は、個人芸で解決しているように見
えた。どちらにしても、問題を解決しなければ、大きくはならないとい
うことです。うちの塾は、その問題の解決が甘いということです。いい
勉強になりました」。
◇その塾長の二日間は、自塾に対しての希望を大きく膨らませたものに
なったようだ。大きくなる方程式を実感できたのかもしれない。
『経営者の視点』
◇他社の視線で、自塾を見てみよう。そうすれば、自塾の弱点も強みも
共に鮮明に分かるはずだ。大きな塾だって大したことはないのだ。昔は
みんな小さかったのだから。

