稲垣 足穂
花を愛するのに植物学は不要である。
◇絵画を目の前にすると分かるか分からないかを基準にしてしまう人が
いる。ある絵を見て、この絵は分からないという人もいるし、この絵は
分かりやすいという人もいる。
◇こういう人の大半は、絵のメッセージ性を読解しようとしているのか
もしれないが、絵は、芸術作品だから、分かるか分からないかよりも、
自分がその絵を見て、感じるか感じないかを基準にして、眺めればよい
ものだ。絵画の知識(流派や歴史的知識、絵を見る見方)は、あっても
なくても、その絵に素直に対峙してその絵から何かを感じ取れれば、そ
れでよいのだ。
◇今日の言霊も、そういうことを言っているのだ。ただ単純に対象に向
き合って、そこから何かを感じるのならば、感じればよいと言っている
のだ。余計な知識など必要としないと言っているのだ。
◇私たちは、知っているかいないかに重きを置きがちだ。しかし、それ
以上に重要なのは、その対象物を見て、何を感じ取れるかなのだ。
◇何かを眺めて、その何かが美しいと思えば、素直に美しいと思うだけ
でいいのだ。そういう素直さを持つことだ。知識に負けて、素直な心を
失ってはいけないのだ。

