岡本かの子
桜ばな
いのち一ぱいに咲くからに
生命をかけてわが眺めたり
◇なんと綺麗な和歌だろう。なんと意志の強い和歌だろう。他者に対す
る真摯な姿勢が、この和歌からうかがえる。
◇桜は命を懸けて咲いているのだから、それを見る私も命がけでその桜
を眺めよう!と相手の姿勢を受けて立っている。こんな誠実な姿勢を私
たちは持っているだろうか。
◇最近の私たちは、他人よりも先んじ、他人よりも利益を求め、他人よ
りも有利な条件で何でも考えようとしているが、実は、他人あっての自
分自身だということを忘れてはいないだろうか。
◇桜が咲いているから、私たちは、桜を眺めることが出来るのだ。私た
ちが、桜を眺めたいから、桜が咲くのではない。私たちは、他人が私た
ちの前にやってきてはじめて、私たちは、他人と関係が持てるのだ。私
たちが、他人と関係を持ちたいから、他人がやってくるのではないのだ。
常に謙虚な姿勢が、私たちには、求められる所以だ。
◇相手の気持ちを受け止めて、相手を裏切らないようにしよう。相手の
姿勢をいつでも真摯に受け止められる自分でいよう。命がけの付き合い
を私たちはすることだ。その時、自分の人生が美しくなっていくことだ
ろう。

