教師が教師として機能できない状況がある?!
【記事】給食のおかず注文数間違え、教諭が児童に口止め料 三重
朝日新聞(2007年8/8)より以下抜粋
津市の小学校で、男性教諭(52)が選択給食でおかずを間違えて
注文したミスを隠そうと、希望と違うおかずを食べ残した児童7人に、
「口止め料」として100円ずつ渡していたことが8日、わかった。
教諭は校長に「自分だけで解決しようと焦ってしまった。教師として
あるまじき行為で反省している」と話しているという。
○市教育委員会や同校によると、教諭は4年生の学級担任。6月中旬、
7月13日の選択給食のおかずの注文を児童から取った際、24人が
トンカツ、8人がウナギの蒲焼(かばや)きを希望したのに、数を逆
に発注。給食当日、希望と違った児童に謝った上で「我慢して食べて
くれないか」と頼んだが、ウナギが嫌いだった児童7人が食べなかっ
たという。
○教諭は放課後、7人を教室に残らせ、「誰にも言うなよ」と言って
自分の財布から100円ずつを7人に渡したという。同日夕、受け取
った児童の保護者から学校に抗議の電話があり、発覚。教頭と教諭が
各家庭を回って謝罪したという。
○校長は「お金で解決しようとしたのは、子どもの見本であるべき教
師としてあってはならないことだ。子どもや保護者に申し訳ない」と
話している。同校では、選択給食を年2回実施しているという。
*私からのコメント
◇こんな事件が、学校で起きてしまう。たかだか、給食のメニューの
発注ミスという問題でこんな教師の異常な行動が起きてしまう。常識
的に考えれば、教師が、生徒に謝れば、それで済むはずだ。「トンカ
ツ」だろうが、「うなぎの蒲焼」だろうが、食べればいいのだ。
◇他のクラスに事情を話して、交換してもらえればそれでいいし、も
し出来ないのであれば、それはそれで謝って、許しを請うことだ。そ
れでこの事件は終わるはずのものだ。
◇しかし、この事件はこれでは終わらず、教師が、生徒に口止め料を
渡して事件が大きくなってしまったのだ。なぜ、こんな馬鹿げたこと
になったのか。それは、教師と生徒、教師と保護者、教師と社会の関
係性の変容にその背景があるように思う。
◇こういうことをやった教師にも問題はあるが、多分、この教師が、
今から30年前にこの給食の数のミスを犯しても、こんな口止め料を
払おうとはしなかったはずだ。それはなぜなのか。それは、教師の社
会的な地位の低下と知識や権威の裏づけとしての学校の正当性が、保
証されなくなってしまったからだ。学校が、教師に正当性を保証でき
なくなってしまったのだ。
◇私たちは、学校が、学校として正常に機能している時代を知ってい
るが、最近は、学校は、学校として正常に機能しなくなってしまった。
今までは、学校で教わったこと、学校の教師が言ったことは、必然的
に正しいものだと思っていた。
◇今はどうだろう。そんなことを思う人間は皆無だ。学校も教師も批
判の対象以外のなにものでもない。ここが、今回の事件の背景にある
ように思う。教師と生徒の水平化、教師や学校と保護者の水平化が、
教師や学校の指導の徹底を阻害し、地位低下をよんでいるのだ。この
ことを私たちは、もう一度考えたほうが良い。
◇私は、学校や教師が絶対的に正しいとか、正当性の根拠を学校が握
っているとかそういうことを主張しているのではない。また以前のよ
うに学校が正当性を回復して、全ての知の根拠を握ったほうがいいと
主張しているわけでもない。しかし、もしこれからも学校や教師が、
存続するのであれば、正当性の問題は、もう一度考えないといけない
問題だと思う。
◇このままでは、教師は、やりにくいし、学校も機能を全うできない
だろう。この問題を個人の資質だけに矮小化してはいけないように思
う。その背景には、学校や教師の正当性の低下が潜んでいるのだ。社
会は、学校・教師がしなければならないことをもう一度明確にするべ
きだ。学校や教師に社会的なミッションを与えることが重要だと思う。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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