ケネス・アロー
信頼はたいへん高価な財産。簡単に購入できるものではない。
◇人を簡単に信頼する人がいる。ちょっと話しただけで、この人は信頼
できると思ってしまう人がいる。かく言う私もそんな人に近いのだが、
それでも人を信頼しようかなとは思うが、信頼できると直ぐには決め付
けないようにしている。
◇それは、信頼するだけの事件なり、事態なりが、なかなかないからだ。
信頼出来るか出来ないかは、ある条件の下に下される判断だからだ。
◇それでは、ある条件とは何か。それは、約束を実行することが困難な
状況であったり、自分自身が何か窮地に追い込まれた時だったり、順調
といえる状況以外の時だ。誰かと誰かの関係は、誰かが順調ではなくな
った時に、試されるものだ。その時に、そういう状況であってもなくて
も変わらぬ態度、変わらぬ行動であれば、その関係は信頼に値するのだ。
◇だからこそ、信頼は、簡単にはなかなか獲得できないものなのだ。だ
から、人を簡単に信頼してしまう人は、実は、信頼という言葉を軽く見
ているか、信頼するということで、他人に対して何かを誤魔化している
人かもしれない。
◇私たちは、信頼を克ち得るために、他人に対して誠意を尽くすことだ。
どんな状況でもゆるぎない誠意を見せることだ。そのためには、腹をく
くって、他人と向き合うことなのだ。それなくして、他人からの信頼は
克ち得ない。

