竹内 芳郎
差別をなくそうとおもえば、ひとつの構造のもつ文化の総体を
根本的に問いなおす以外に方途はないのである。
◇私にもっとも影響を与えた本は、この竹内芳郎の「文化の理論のため
に」だと思う。もし、この本に出会っていなければ、多分、私は屁理屈
だけの人間になっていたかもしれない。人間の根本的な問題を考えるき
っかけをこの本を作ってくれた。
◇さて、今日の言霊だが、実は、この前段が、非常に重要なのだ。私た
ちは、権力構造の中にいれば、誰であれ、差別主義者になってしまう必
然を持っているのだという指摘をした後に、この言霊が続く。
◇私たちの日常は、無条件に与えられた必然的な構造を持っているわけ
ではない。だから、今の構造をもう一度人間一人ひとりが自覚して、構
造を根本的に見つめなおして、差別的な状況や不平等な状況を意識的に
乗り越えるための、現状の構造の破棄と新たな構造の構築に向かわなけ
ればならない。現状維持的に無自覚な生活を改めるべきなのだ。
◇私たちに残された道は、人間の功罪の自覚化と自分自身の強みと弱み
の自覚化を通しての行動変革しかない。もし行動変革を成し遂げなけれ
ば、早晩世界は、終わってしまうだろう。この日常をもう一度見つめな
おして、新たな世界を作っていくことを私たちは、課題にするべきだと
思う。

