塾経営、塾の起業コンサルタントが語るブログのトップへ戻る
« 佐藤 辰雄 || 2007年度11月分 教育サービス・感動創出リーダーセミナー »

教育は、目先の利益を目指してはいけない!

【記事】水戸葵陵高校でも受験料補助 通信教育受講費用も
 朝日新聞(2007年9/25)より以下抜粋

私立高校が大学の受験料を補助して合格者を上乗せしている問題で、
水戸市の私立水戸葵陵(きりょう)高校でも、生徒に受験料を出して
大学を受験させていたことがわかった。志望校以外に複数校を受験し、
「本当は受けたくなかった」と証言する卒業生もいる。

○大学受験料を補助したのは、昨春に最初の卒業生を出した普通科の
医歯薬コースの生徒で、昨春は5人に12校、今春は4人に11校、
私立の医学部や東京理科大、早稲田大の理系学部などを受けてもらっ
たという。

○これらの生徒の本来の志望は国立大医学部だった。学校側によると、
ここ数年、私大の医学部への進学者が増えていることや私大の難易度
が二極化していることから、校内でどの程度の成績を持つ生徒だと合
格できるのかを確かめるデータ集めが目的だったという。
 
○水戸葵陵は1学年300人弱。ホームページやパンフレットに書か
れている大学合格実績は、05年春の177人から、受験料補助を始
めた昨春は356人、今春が306人と増えている。
 
○受験料を補助した中には、特待生もいた。水戸葵陵の特待生制度は
4種類あり、成績によって入学金から授業料まで免除している。これ
とは別に、成績優秀な生徒には2年前から、通信教育「Z会」の受講
費用も出しているという。
 
○補助を受けた卒業生の1人は「特待生が学校のために私立大を複数
受けるのは当たり前だと言われた」と話す。受験費用はすべて補助さ
れたが、交通費や宿泊料では自腹を切ったという。
 
○秋山和衛校長は「無理強いしたということはないはず。嫌なら断っ
てくれれば良かった。1人の子も大事だが、全体も大事。進路指導の
データを蓄積するまで、あと2、3年はやりたい気がする」と話して
いる。

*私からのコメント

◇私立高校の大学受験に関する受験料の補助に関しては、以前にもこ
のメルマガで取り上げた。受験料の補助だけではなく、特待生として
授業料すら払っていない生徒がいると指摘しておいたが、今回の記事
で、その辺の事情も明確になった。さらに、驚くべきことに、学校が、
Z会の通信教育費も出していたという事実だ。


◇授業料も優遇し、そして個人の補助教育費(Z会の通信教育の受講
料)まで学校が負担する。学校の合格実績の向上に貢献する生徒には、
至れり尽くせりだ。そして、驚くべきは、その捻出した費用の出所だ。
特待生以外の生徒からの授業料から捻出しているはずなのだ。学力の
低い生徒から金を出させて、学力の高い生徒へその金を還流させてい
たのだろう。


◇学校の宣伝に活用できる生徒は、それだけで優遇対象になり、その
優遇を支えるのは、一般の生徒だ。優秀な生徒は、合格実績を稼いで
経営に寄与させ、普通の学力の生徒は、授業料を払って、経営に寄与
させるのだ。


◇普通の生徒の学力をどう引き上げるかと言うことよりも、もともと
優秀な生徒を金で釣って大学実績を向上させ、その実績を上手く活用
させて、優秀な生徒を拡大再生産させていこうとする私立高校の戦略
が、露骨なほど、この記事からは分かる。見せ掛けの教育力で、世間
を欺いて成長していこうとするものだ。今回の一連の合格者水増し問
題は、そのことを端的に表している。


◇この記事の中で、校長は、『「無理強いしたということはないはず。
嫌なら断ってくれれば良かった。1人の子も大事だが、全体も大事。
進路指導のデータを蓄積するまで、あと2、3年はやりたい気がする」
と話している』とあるが、この厚顔無恥な発言が、この学校の教育力
なのだろう。


◇「嫌なら断ってくれれば良かった」とは、よく言えたものだ。生徒
や保護者に断れる状況など多分ないはずだ。また、データの蓄積云々
は、全くの言い逃れだ。大手予備校の進学資料を使って指導すれば、
そんなものは、今どきほとんど結果に差異は出てこない。もっともら
しいことを言って何も反省できないのだ。校長のこの開き直りを私は
憂う。こんな学校が、日本に数多くあるかもしれない。


◇こんな状況が生まれて来たのは、教育が、ただ単純な基準だけで競
争のまな板にのった結果だろう。学力だけが教育の基準ではないのだ。
有名大学の合格だけが、教育の結果としての評価基準ではないのだ。


◇そのことをもう一度、私たち一人ひとりが、自覚して、世間で流通
している教育論から自由になることだ。教育再生会議での論調に与し
ないことだ。教育に過度の競争原理を取り入れてはいけないのだ。子
どもは、長いスパンで成長していくが、競争は、いつでも短期決戦に
なってしまうからだ。目先の勝利を教育は、本質的に目指せないもの
なのだ。世間のご都合主義の教育論の罠にはまってはいけない。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

塾の起業、経営に役立つMBAのメルマガへの登録はこちらから

MBAをお気に入りに追加する 塾経営のサクセスネットMBAのホームページはこちらへ

カレンダー

2010年08月
Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
塾の起業、塾経営についてお電話ください。045-651-6922まで。