「過去問」(前編)
夏期講習が終わり、9月に入ると、中学受験生は本格的に「過去問演習」
の指導が始まる。
「過去問演習」とは、簡単に言うと、各学校の過去の入試問題を解き、
入試に向けて実践的な学力をつけていくものである。
もちろん、演習する学校は生徒によって異なる。
まず、自分の志望校の過去問題を解く。第一志望校なら、5~6年分を
2~3回繰り返す。
「同じ問題を何度やっても意味がないんじゃないの?」と思われるかも
しれないが、その学校の入試問題の傾向を体に染み込ませることは重要
だ。
例えば、国語なら、大きく分けて2種類のパターンがある。
1つは、少ない設問数で、記述が多い「じっくり型」の入試問題。
もう1つは、記述が少なく、抜き出しや知識・記号問題が多い「てきぱ
き型」の入試問題。
また、学校によっては、必ず出題される問題もある。例えば、ある女子
中学では文章の主題に関する2百字の記述問題が出題される。ある共学
校では、短歌・俳句の問題が毎年出題されるといった具合だ。
同じ学校を複数回解くことで、傾向になれ、自分の弱点を知り、総合力
を高めていくことができる。
また、案外、見落とされがちではあるが、過去問演習は、それぞれの生
徒の志望校のみを解かせるのではない。
その生徒が受ける志望校と似ている傾向の問題を解かせたり、偏差値的
に同レベルの学校の入試問題も解かせることも重要だ。
過去問、1つ取っても、生徒それぞれでいろいろと戦略が必要なのだ。
当然、その学校の入試傾向に合わせるのに、随分と苦労する生徒もいる。
千春もその1人だった。
○次回へ続く。
(登場する生徒名は全て仮名です。)

