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山岡 荘八

心は我が物、身体は借り物。身体はいずれ天に返さなくてはならない。

◇心は自分のものだ。身体も自分のものだ。しかし、この二つをどうい
う風に自分のものにするかということについては大きな違いがある。心
は、なかなか自分のものにはならない。しかし、自分の心を鍛えていけ
ば、自分で心をある程度コントロール出来るようになる。


◇それに比べて、身体は、簡単に自分のものにはなるが、しかし、最終
的には、自然のものだから、自分ではどうにもならないことがある。そ
れを今日の言霊は「借り物」だというのだが、どちらも生きている間は、
自分のものだ。ただ、心のほうが、自分を素直に映し出すことが出来る
から、私たちとしては心と向き合うことが重要なのかもしれない。


◇自分の心と向き合うことは、物凄く難しい。心を取り出して眺めるこ
とが出来ないからだ。だから、自分の心を知るためには、他人の力を借
りることだ。他人は、自分の鏡だ。他人の自分に対する振る舞いやスタ
ンスや反応で自分の心を知るしかない。自分の心と見合う反応を他人は
するのだから。だから、自分の心と向き合うということは、他人と真正
面から向き合うことと同じなのだ。


◇思う通りにはならないのが人間だ。自分のことだって、他人のことだ
って、私たちが、思い通りに出来ることなんてなかなかない。そう思っ
て人生を楽しみながら生きていくことだ。自分の心は自分のものだが、
なかなか自分の手の中には納まりきらないものなのだ。

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