夏目 漱石
運命は神の考えるものだ、人間は人間らしく働けばそれで結構だ。
◇私たちは、自分の力の及ばないものについて、思いをめぐらすことは
ない。自分の想像を超えた何かに救いを求めることもない。困った時の
神頼みと言うけれど、それは、本当に神様に期待して、祈るわけではな
い。自分の持てる力を全て出し切った後に、念押しで神様に祈っておく
のだ。
◇今日の言霊もそういうことを言っているのだ。自分では、どうしよう
もないことについて、あれこれ悩むよりは、自分が、自分として全うす
れば、それでいいのだと言っているのだ。
◇私たちは、往々にして、自分の力の及ばないことに思いを馳せて、今
の自分の状況から逃げてしまう。つまり、状況が偶然良くなればと願っ
たり、悪い状況の先のことを夢見たりすることで、その状況から逃げ出
す。その方が楽だからだが、そういう現実逃避は、実は、誰からも中々
批判されない。自分で気がつかないと、こういう逃避からは抜け出せな
い。自分がやるべきことは、まずは状況を解決することであって、状況
の先を願うことではない。願う前に現実を変えることが重要なのだ。
◇しかし、その状況の先を云々して、その状況から逃げてしまうのだ。
それを人は、批判できない。なぜならば、他人の辛さがわかるからだ。
◇しかし、そういう時に、今日の言霊を投げかけてあげよう。他人にも
自分にも。私たちの問題は、自分の前にあることだけだ。夢を語る前に、
やることがある。そのことから逃げてはいけない。

