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« 亀田親子に思う || 井植 薫 »

「電車内」(前編)

子供たちは大人よりずっとモラリストだと思う。意外かもしれないけれど。


以前、生徒に「電車の中でお化粧する女性をどう思うか?」ときいたこと
がある。確か中学受験する小学6年生だった。授業で扱う説明文でも「マ
ナー」に関するものは少なくない。

さて、彼らの意見は・・・。


「みっともない」
「化粧はうちでやるべきだ」
「電車の中はみんなの場所だからダメ」
「きっと周りに嫌がる人がいると思うから良くない」

などなど。


僕が言うのもなんだが、いちいちごもっともで、耳も痛けりゃ、胸まで
痛くなりそうだった。「お前はお母さんか!」と突っ込みの一つも入れた
くなる。


もっとも、それが彼らの意見かどうかは分からない。親であったり、学
校の先生であったり、テレビだったり。そういったものの影響を受けて
いることは充分考えられる。


一番笑ったのは、「化粧してもムダな人が多いと思う」だった。これも
誰かの影響なのか。


どうして彼らにこんなことを聞いてみたのか。それには理由がある。
受付事務スタッフのある女性が「電車の化粧は許せない!」と言って
いたからだ。


「化粧なんてのは人サマの前でやるような行為ではない。恥ずかしい
しみっともない。周りにも迷惑だ」


概ね、こんな主張だった。確かに、化粧は公衆の面前でやる行為では
ないだろう。公衆の面前で自分をより美しく見せたいがために「化け
る」のだから。使用前、使用後を見せたいのなら別だけど。


きっと、「特定の誰か」にきれいに見てもらえればいいということな
んだろう。


で、一つ疑問に思うのは化粧が周りの人に迷惑か、ということである。
「不快」に思う人がいる時点ですでに迷惑なんだろうけど、僕自身は
「迷惑」だと思ったことはない。


「不快」ということをいうと、酔っ払いを見て不快に思う人もいるだ
ろうし、金髪の若者の姿を不快に思う人もいるだろう。


例えば、電車の扉付近にどっかと腰を下ろし、乗降する人の邪魔にな
るというような「直接的被害」は化粧には存在しない。(もぞもぞ動
くので、隣に座る人に肘が当たったりというのはあるかもしれない)


実は、電車で化粧する女性の気持ち、分からないでもないのだ。


○次回へ続く

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     ◇◇◇ Global Thinking and Local Acting ◇◇◇
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