学校制度における大学は、どういう位置を占めるのか。
【記事】学士号急増580種 文科省、ルール化検討へ
朝日新聞(2007年11/4)より以下抜粋
「カルチュラル・マネジメント学」「情報アーキテクチャ学」「人間
環境マネジメント」――。いずれも大学の学部を卒業すると得られる
学士号の専攻名だ。その数は少なくとも580で、6割は全国で一つ
しかない。文部科学相の諮問機関、中央教育審議会などは「名前から
何を学んだのか分かりにくく問題だ」などと指摘。文科省は専攻名が
これ以上むやみに増えないよう一定のルールを設ける検討を始めた。
○専攻名が急増したきっかけは、91年の大学設置基準の大綱化だ。
文学士や法学士など29に限られていた専攻名の縛りがなくなった。
折しも少子化が進み、各大学は受験生を集めようと新しい学部や学科
を次々と設置。カタカナを使った長い名前も多く出現し、それを専攻
名に使うケースが増えた。
○00年開学の公立はこだて未来大(北海道函館市)のシステム情報
科学部には情報アーキテクチャ学科がある。卒業すると、学科の名前
そのままの専攻名が付いた学士号が与えられる。担当者は「コンピュ
ーター技術を用いて新しいメディアを提供する情報手段の構築者を
『情報アーキテクト』と名付けた」と話す。
○しかし、最近、こうした専攻名を問題視する意見が目立ってきた。
大学評価・学位授与機構の濱中義隆准教授は「各大学が特色を出そう
と工夫するのはいいが、社会や受験生がそこで何を学べるのか分から
ない専攻名は問題だ」と話す。
○中教審は現在、全国唯一の専攻名を使う場合は、設置申請の際に既
存の専攻名との違いを大学に説明させることなどを、文科省の役割に
位置づけるよう提言することを目指して議論している。ただ、自主性
を重んじる大学の学問領域にかかわる問題だけに、国によるルール作
りに慎重な意見もある。同じ理由で、現状から数を減らす議論には至
っていない。文科省は、日本学術会議や各学会とも連携してルール作
りに取り組む方向で検討を始めた。
*私からのコメント
◇この記事を読んで、不思議に思わないだろうか。もし、この記事の
学校が、高校だったら、こんな事態になっているだろうか。多分、文
科省の指導において、徹底的に管理され、そんな変な学部名や学科名
にはなっていないはずだ。
◇学校制度の中で大学は、選抜を乗り越えて来た者を教育するという
意識があるから、非常に自由なものになるのだ。だから、その逆に、
文科省が、一番管理しようとしているのが、中学から高校へと向かう
選抜制度と高校から大学へと向かう選抜制度だ。この二つをしっかり
管理していれば、優秀な人間を選抜し、最終的には、上級国家公務員
試験へと向かわせることが出来るからだ。
◇今でこそ、公立中高一貫校だといって、中学校と高校を無試験で繋
げる努力をしているが、だからといって、全ての高校でそういう事態
には、絶対ならない。そして、国公立高大一貫校も多分作らない。大
学入試を行うことによって、学校制度の選抜機能を維持させなければ
ならないので、大学入試という最終試験は、残すはずだ。
◇要するに、選抜システムが残ることが重要なのだ。だから、大学の
新設学部が、どんな名前であろうが、あまり重要なことではなかった
のだ。
◇大学は、選抜制度の階段を上り詰めたところにあるが、最近、その
進学率が、高まりすぎて、大学進学にステイタスがなくなってしまっ
た。今回の記事の背景には、その辺のことも関係するかもしれない。
大学院大学が作られ、また選抜の階梯が増えて、学校制度の選抜機能
は強まるかもしれないが、それだけでは心もとないと判断して、大学
自体の進学率に歯止めをかけようとする動きかもしれない。そのため
に、人気取りになるような安易な学部名や安易な学士名が、牽制され
ようとしているのかもしれない。今回の記事からそんなことを思った。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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