「面白さ」(前編)
国語は他の教科と違って教える単元(分野)が少ない。
文章に限れば「小説文/物語文」、「論説文/説明文」、「随筆文」、「古文」、
「漢文」、「韻文(詩・短歌・俳句)」、大きく分けてこの6つである。
さらに、中学受験に限定すれば、「小説文/物語文」、「論説文/説明文」、
「随筆文」、「韻文(詩・短歌・俳句)」の4つということになる。
得意な生徒はいいのだろうが、国語の苦手な生徒にとっては、変わり映
えのしない4つの内容が繰り返されるのだから、たまったもんじゃない
だろう。
と、いうわけで、新しく担当になったクラス、勉強そのものが苦手なク
ラス、受験にはまだ少し間がある小4、小5など、あの手この手で少し
でも興味を持ってもらおうと工夫をしなければならない。
文章を読んで、問題を解いて、はい、授業おしまい!、というわけには
なかなかいかない
国語が嫌い、文章読むのが苦手、というのなら、せめて「でも、先生の
授業は面白い」と感じてもらわなければ辛い。
生徒も辛いのだが、僕も辛い。僕の授業が好きならば、宿題だって、漢
字テストの勉強だって、生徒はやってくる。
つまらなければ、やってこない。やってこないと「宿題忘れるな!」と
か「漢字テストの不合格は居残りだ!」とか怒り、脅し、それでようや
くやってきてくれるかどうか・・・。
僕は、生徒を怒りたくもなければ脅したくもない。それって非常にエネ
ルギーが必要だし、気分も良くない。
だから、「面白い授業」をするのは、「生徒のため」でもあるし、それ以
上に、正直「自分のため」でもあるのだ。
もちろん、面白いといっても、ダジャレ連発、という面白さでない(若
いころはそうやって誤魔化していたことも多々あった)。生徒の知的好奇
心をくすぐるような面白さでなければならない。
ダジャレ連発のような「可笑しな」授業を繰り返すと、そのうち、生徒
はこちらの底の浅さを見抜いてしまう。子供を侮ってはならないのだ。
小5の授業だった。
「物語は今日でいったん終わって、次回から『詩』を勉強するよ」
授業の終わりに次回の予告をした。すると、一番前の席に座っている
友恵が言った。
「詩かぁ。詩はつまんないから、イヤだなぁ」
別に誰かに聞かせようとしたわけではないのだろう。思わず、口をつ
いたようだ。
「うっ、そんなこと言われちゃうと、ちょっと胸が苦しいぞ」
胸を押さえて、前かがみになって友恵に言った。ほとんど冗談だった
が、まだやってもいないのに、「イヤだ」なんて、ちょっと凹んだのは
確かだ。
友恵は笑っていた。が、「こりゃ、次の授業はなんとかせんとなぁ」と
思った。
○次回へ続く
(登場する生徒名は全て仮名です。)
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◇◇◇ Global Thinking and Local Acting ◇◇◇
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