ベネッセの戦略とは?
『はじめに』
◇朝日新聞の記事を読んで欲しい。2007年12月04日 朝日新聞の記事だ。
【ベネッセ、東大受験専門塾を傘下に】
通信教育「進研ゼミ」のベネッセコーポレーションは、東大受験に強い
進学塾「鉄緑会」(東京)の株式の80%を同塾の運営会社2社から12月
下旬に取得することを明らかにした。ベネッセは鉄緑会の講義内容を取り
込んで教材強化などを図る。鉄緑会はベネッセのネットワークを通じて地
方展開を模索する。
ベネッセなどによると、鉄緑会は東大医学部と法学部の卒業生らが83
年に始めた「東大受験専門」を掲げ、合格率が高いことで知られる。東京、
大阪、兵庫の計3教室あり、生徒数は約4700人。06年度の売上高は
22億円。
ベネッセは昨秋、首都圏の「お茶の水ゼミナール」を買収して教室事業
に本格参入。今年6月にも「東京個別指導学院」を子会社化し、主軸の通
信教育事業に並ぶ中核事業に据えている。鉄緑会へは役員を派遣する考え
だ。
『教育を独占し、教育の一大商社になる!』
◇ベネッセが、昨年から今年にかけて、もの凄い勢いで塾業界に参入して
きている。「お茶の水ゼミナール」を買収し、「東京個別指導学院」にTO
Bをかけて子会社化し、東京個別指導学院の持っていた「明光ネットワー
ク」の株をベネッセが買い取って、大株主になり、そして今度は、東大受
験専門予備校「鉄緑会」を傘下におさめた。
◇今回の買収劇は、Z会に対する明らかな宣戦布告に見える。Z会と進研
ゼミの大きな違いは、大学合格実績に対する信頼性であった。質のZ会、
合格実績のZ会というブランドイメージに対して、進研ゼミは、高校生の
補習的な要素が、印象として強かった。だから、ここ数ヶ月、大学実績に
関してのCMが徹底的になされて、従来のイメージの払拭に努めていた。
そして、今回の「鉄緑会」の買収なのだ。東大合格に圧倒的な強みのある
予備校のノウハウを吸収して、従来のイメージをZ会のそれに近づけ、さ
らに数に物を言わせて、Z会を追い抜こうと言う戦略なのではないだろう
か。
◇そして、次に狙うのは、中学受験塾の買収なのではないか。それも名門
中学受験塾を。もし、中学受験塾まで傘下に収めれば、これで、進研ゼミ
の入り口から出口は、完成する。小学生向きのチャレンジは、中学受験向
きの要素もあるが、まだまだ小学校補習が、イメージ的に強い。それを中
学受験向きにイメージ転向するコースが出来れば、全体的なイメージも向
上するはずだ。
◇全国の中高一貫校が、これからまだまだ創設されるはずだから、市場的
には、狙い目なのだ。中学受験塾の買収なのか、日能研の「知の翼」やサ
ピックスの「ピグマリオン」のような通信教育部門の買収なのかは分から
ないが、もしかするとベネッセの次は、こんなところを考えているかもしれない。
『経営者の視点』
◇このところの大手学習塾の動きは、地域性の打破を目指しているような
結果になっている。今回のベネッセは、地域性を軽々飛び越えて、あなた
の横に既に存在しているし、全国の明光義塾が、ベネッセの傘下に入れば、
FC個別塾以上のネームバリューを持つ。突然、強敵があなたの横に生ま
れてしまうのだ。だから、油断は禁物だ。貴塾の売りを徹底的に自覚して、
今から地域性を超えて勝負できる体制を整えておくべきだ。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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