瀬戸内 寂聴
あなたは苦しんだ分だけ、愛の深い人に育っているのですよ。
◇若い頃の苦労は、買ってまでしろと言われる。それはなぜか。それは、
人間の成長には、苦労が非常にいい効果をもたらすからだ。苦労をすれ
ばするほど、自分自身の無能さを感じるはずだ。しかし、その無能さは、
絶望をもたらすものではない。若い頃の苦労は、逆に希望をもたらすも
のだ。
◇自分の未熟さを知って、自分の情けなさを知って、そして、それでも
前に向かって歩んでいくことが出来るのは、若い頃だからだ。若い頃の
「知らぬが仏」が、最大のエネルギーなのだ。
◇私たちが自分自身の幅を広げるのは、自分の能力に限界を感じた時だ。
だからこそ、人は、他人に優しくなれるのだ。自分の悲しさや悔しさが、
他人の悲しさや悔しさに共鳴できるからだ。
◇挫折も知らない、苦労も知らないと言う人間の冷たさを私たちは、知
っているはずだ。それは、自分自身の能力の限界を突き詰めてみる機会
を持てなかったからなのだ。人間にとって、こんな不幸なことはない。
◇苦しみや悲しみを経験できる人間が、実は幸せなのだ。苦しみの中か
ら、悲しみの中から、人間は希望を見出し、自分の限界を乗り越えよう
とする。その過程の中で、人間は、自分自身と出会うのだ。自分自身と
出会える幸せが、人間にとっての最大の幸せなのだ。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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