大人になっても学力が評価の対象になる!
【記事】大学別学力調査、日本も参加方針 OECD試行
朝日新聞(2008年1/13)より以下抜粋
経済協力開発機構(OECD)加盟国の教育相非公式会合が11、12
日に東京で開かれ、大学での学習成果を評価するための国際調査に向け
て、試行調査を実施することで合意した。議長を務めた渡海文部科学相
は会見で「参加の方向で検討したい」と述べ、日本も試行調査に加わる
意向を明らかにした。結果は来年中をめどにまとめ、それを受けて正式
な調査を実施するか、加盟国が判断することになるという。
○OECDはすでに15歳を対象とした国際学習到達度調査(PISA)
を過去3回実施し、国ごとの平均点や順位を出している。これに対し、
今回の調査では大学ごとの評価に主眼を置く。OECDのバーバラ・イッ
シンガー教育局長は「PISAとはアプローチがかなり違う。大学の順
位づけではなく、各大学が自分の立場を知り、目標を定めるのが目的だ」
と述べた。
○試行調査は今年から来年にかけ実施し、数カ国から数大学ずつが参加
する見通し。これまでの専門家会議の検討では、対象分野として、工学、
経済学、自然科学のほか、「批判的思考力」といった専攻分野を超えて
高等教育で身につけるべき能力が候補になっている。
渡海氏は「社会がグローバル化し、学術の質がボーダーレスに広がる
中で、日本の高等教育の評価を国内にとどまらず、国際的に考えるのは
意味がある」と話した。
*私からのコメント
◇前回は、大学教授の贋学位について取り上げたが、今回も大学がらみ
の記事を取り上げる。今回の記事は、大学別の学力調査を国際比較で行
なうというものだ。大学生の学力低下が宣伝されている現在だから、こ
んな調査を行なうことで、大学生や大学に圧力をかけてもいいのだろう
が、こんなことにどれだけの意味があるのか、ちょっと首を傾げたくな
る。大学生の学力を調査したところで、高校生の学力レベルとどう違う
と言うのだろうか。
◇記事によれば、「PISAとはアプローチがかなり違う。」というが、
大学生の学力を調査するということならば、結局は高校生の学力とそれ
ほど変わらないはずだ。そんな学力調査をするよりも、社会的な問題解
決能力を調査しようとしたほうが、よっぽど企業的な意義は、大きいと
思う。なぜならば、社会人になって大切な能力だからだ。そして、高校・
中学校・小学校の学習内容に学力調査以上に寄与するはずだからだ。
◇それにしても、なぜ、世の中は、どんどん幼稚化していく傾向にある
のだろうか。大学生と言えば、もうすぐ成人だ。大人に対して学力が低
いとか、学力が足りないとか、評価する。こんな世の中は、ちょっとお
かしいような気がする。
◇採用試験での学力テストならば、死活問題だから、現実問題だが、そ
うではない学力調査を大人が喜んで受けるだろうか。社会に通用する大
人になるための猶予期間として大学時代がある側面もあるし、社会人に
なって、勉強し続けるために、大学時代に学問の面白みを知る側面もあ
るだろうから、そういう側面を自由に各人が選べるような環境を用意す
ることが大切なことだと思う。
◇また、大学時代にしっかり勉強して欲しいのであれば、全学部に卒論
を課して、出せば卒業すると言う卒論ではなくて、大学の基準に達しな
い卒論は、卒業延期にすればよいのだ。自分に与えられた文脈で、必死
に取り組むことを大人には要求するべきだから、そういう仕組みを作っ
たほうが、有益だと思う。
◇何でもかんでも学力尊重になってしまえば、学校制度の支配が今まで
以上に強くなってしまう。学力学力と騒ぎ立てれば立てるほど、学校信
仰がまた強まっていくのだ。それでは、不自由な社会になってしまいか
ねない。だから、安易に学力調査をやるべきではないのだ。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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