どういう目的で効果測定を行うのか?
【記事】都が全公立小・中学校約2000校で学力テスト実施(東京)
読売新聞(2008年1/21)より以下抜粋
○都内の公立の小学5年生と中学2年生を対象にした都学力テスト「問
題解決能力等」が17日、約2000校で一斉に行われた。問題解決能
力調査は、応用力や読解力を測るために昨年度から実施され、2回目と
なるこの日は、16万6000人の児童・生徒が取り組んだ。
○都教委は2003年度から、都内の児童・生徒の学習指導要領に基づ
く学力を測るとして、国語、算数・数学、理科、社会、英語(中学のみ)
の各科目で、独自の学力テストを実施してきた。昨年度からは、問題解
決能力調査も始めた。
○しかし、今年度から全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が始
まったため、都教委は「すみ分けを図る」として、児童・生徒の応用力
や読解力を問う問題解決能力調査のみを全校で実施することにした。ま
た、国語と算数・数学については、成績下位層の問題点を発見するため、
やや難易度を下げたテストを、希望する学校など計約520校に絞り、
今月10~21日の日程で実施している。
○この日の問題解決能力調査では、バラバラの文章を並べ替えて手紙を
完成させる(小学)ほか、2人の会話文を読んで、どれだけ論点を理解
したかを問う(中学)など、昨年度と同様、ユニークな問題が出題され
た。
○大手進学塾「栄光ゼミナール」の横田保美・広報部長は、「出題量も
難易度も適切で、非常に練られた良問」と評価。ただ、「選択肢を先に
読む受験テクニックで、問題文をすべて読まなくても正解が出せる問題
があった。記述問題を増やしても良いのでは」とも指摘した。
*私からのコメント
◇テストは、効果測定だ。だから、学習したことをチェックすることは
それほどおかしいことではないが、学校を超えて、一律で効果測定する
ことが、どれほど教師に授業の反省材料になるのか、疑問に残る。こ
ういう学力テストを東京都全体で実施することで、学校や教師に無言の
圧力になっているのではないかと危惧する。また学校での授業自体が、
こういうテストに対する忠誠競争になりかねないようで心配だ。
◇テストをすればするほど、テストでは点数が取りやすくなることは、
私も経験していることではあるが、それだからといって、テストの圧力
を学校や教師にかけて、学力を上げようとしても、それは本末転倒では
ないだろうか。授業の質を高めるための指針つくりであれば、今回のよ
うに大々的に経費をかけてテストを実施する必要はない。それよりは、
公開授業等を実施し、教師同士で評価軸を確立していったほうがよい。
◇また都教委の言う事をより聞かせるために、こういうテストを実施し、
学校や教師を統制する目的があるのであれば、話は別だ。日の丸の話と
同様、しっかり議論するべきだ。
◇学校教育が、学力向上のためだけのものならば、こういうテストで学
校や教師をがんじがらめにすればよいだろうが、そうではないとすれば、
効果測定の方法を変えることも考えたほうがよい。あまりにも学力にば
かり注目してしまうのは、私たちにとってはマイナスになるはずだ。
◇学力の高い人間が優れた人間ではない。学力を身につけるプロセスで、
自己を見つめ、他者と関係合いながら成長することで、優れた人間に形
成されていくのであって、学力が高いから優れた人間になるのではない。
そのことをもう一度私たちは、見直すべきだ。
◇教師もそれと同様で、テストの点数をうまく取らせる教師が、優れた
教師ではなく、生徒が自己を見つめられるように促すことが出来る教師
が、優れているのだ。そういう教師は、結果的に知的好奇心を刺激する
からテストの点数もよくなっていくのだ。この関係を私たちは、忘れる
べきではないと思う。
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