日能研の戦略のミスでサピックスの中学入試は当分圧勝が続く!
『はじめに』
◇ここ10年、首都圏の中学入試は、サピックスと日能研の戦いだ。四
谷大塚は、この10年で大きく衰退してしまった。しかし、昨年のナガ
セのてこ入れで、今後四谷大塚は、徐々に力を巻き返すかもしれない。
それにしても、今年のサピックスの合格実績は、他を圧勝し、日能研は、
この先、生徒集めが苦しくなるかもしれない。
『難関校にシフトした専門店化が、大きな実績を生んだ!』
◇サピックスの出自は、八丁堀にあったTAPだ。TAPは、1拠点で
2000名もの生徒を集め、難関校合格に向けて、徹底指導する専門店
だった。サピックスもその伝統を引き継ぎ、難関校合格に圧倒的な力を
示している。それに対して、日能研は、中学入試を大衆化し、学力レン
ジを広くして多くの生徒を抱えて、難関校から中堅校までの合格を出し
てきた。
◇日能研は、20数年前に、神奈川県を脱して、東京・千葉に進出をし
ていった。その時のターゲットは四谷大塚で、四谷大塚の難関校の合格
実績をひっくり返そうと、ゴールデンラインと称して、麻布・栄光・浅
野の合格実績を伸ばして、四谷大塚の牙城を崩し、その地位を確立して、
10数年前には、首都圏の中学入試を制覇したように見えた。
◇その頃、サピックスは、TAPから分離独立して、難関校のほとんど
の合格実績をTAPから奪って、一躍脚光を浴びた。サピックスは、T
APの1拠点主義を否定して、多店舗展開に戦略をシフトし、上位層の
獲得に動き出していった。
◇この戦略上の変更が、今日の日能研とサピックスの合格競争を決定付
けている。もし、サピックスがTAPと同じように1拠点主義を取って
いたら、日能研との棲み分けが出来て、中学受験マーケットに今日のよ
うな存在感は、出なかっただろうと思う。また、日能研の側からみれば、
サピックスの多店舗展開が、TAPとの棲み分けのようになると高をく
くったのか、それとも多店舗展開のオペレーションが上手く行かないと
踏んだのか、全くと言っていいほど、サピックスを叩こうという戦略も
戦術もなかったようだ。
◇やっと最近になって対応策をとったが、合格実績に水をあけられてか
らの戦略変更だったので、それなりに気合を必要としたが、その戦略の
衝撃度は、まったくなかったといっていい。サピックスの多店舗展開が、
まさに専門店の多店舗展開として、日能研の上位生を奪っていったのだ。
このまま、日能研が、サピックスとの戦いに本格的に取り組まない限り、
上位生はどんどん奪われ、難関校の合格実績で、さらに水をあけられ、
難関校への存在感が薄れて、大衆中学受験塾になっていくことだろう。
『経営者の視点』
◇日能研の今日の衰退(まだそこまでいっていないかもしれないが、合
格実績的に言ったら衰退だろう)は、出る杭を打たなかったことにある。
四谷大塚が神奈川県から脱した当初の日能研を本格的に打たなかったこ
とと本質的には構造は同じだ。相手の戦略は、当然自社に影響する。地
域の塾の動向は、いつでも注意してみるべきだ。気が付いたら、水をあ
けられているかもしれないから。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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