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ゆとり教育は、結局日本の教育に何をもたらしたのか?

【記事】高校教科書も脱ゆとり 英数国で難易度アップ…検定結果

 読売新聞(2008年3/26)より以下抜粋

○文部科学省は25日、来春から使用される高校高学年向けの教科書を
審査する2007年度の検定結果を公表した。

○今回の検定は、ゆとり教育を掲げた現行の学習指導要領の下では事実
上最後で、「脱ゆとり」を先取りし、数学や国語、英語などの主要教科
で難易度を引き上げるなどした教科書が多かった。また美術家の横尾忠
則氏のポスターが「健全な情操の育成に配慮を欠く」として差し替えら
れるなど、細かな表現や記述に検定意見が付くケースが目立ち、検定制
度のあり方についても改めて議論を呼ぶことになりそうだ。
 
○今回の検定には、主に高校3年生が使用する教科書として国語、数学、
理科、英語、芸術、工業、商業の7教科48点の申請があり、東京書籍
の「生物2」1点が「誤りや不正確な記述が多い」として不合格となっ
たほかは合格した。昨年、沖縄戦の集団自決を巡る記述が問題になった
社会は今回、申請の対象とならなかった。小学校の教科書も対象だった
が、11年度から新しい学習指導要領が実施されることから申請はなか
った。
 
○難易度については、「ゆとり教育によって教える内容が減っても、大
学受験の難易度は変わらない」との現場からの要請を受けてレベルを引
き上げた教科書が多く、数学3では、学習指導要領の範囲外の内容を大
幅に増やすなどした教科書が11点中7点に上った。
 
○英語のリーディングも、三省堂が新しく学ぶ英単語を2割増の1155
語にするなど全15点平均でページ数が3・8%増加した。
 
○今回目立ったのは、教科書会社側が想定もしていない個所に意見が付
いた点。日本文教出版の「美術3」では、横尾忠則氏のポスター「暗黒
舞踏派 ガルメラ商会」にあった「私の娘展示即売会場」という一文が、
「健全な情操の育成に配慮を欠いている」として、ほかの作品に差し替
えられた。光村図書出版の「美術3」でも、たばこを手にしていた写真
家の肖像写真に意見が付き、画像を修整してたばこの部分だけを削除し
た。
 
○こうした検定意見について、文科省教科書課は「作品の表現上の価値
を考慮したうえで、検定基準に基づいて判断した」とコメントしている。
 


*私からのコメント

◇高校の教科書が、改訂される。2002年の教育改革でゆとり教育の
旗頭の下、高校の教科書も二極化され、同じ数Ⅰの教科書でも、天と地
ほどの差を作った。そして、今回の受験学年の改正だが、内容のレベル
アップは、さらに、教科書の二極化を招く結果になるだろう。同じ普通
科高校でも、使用する教科書によって、非常に大きな差が出てくること
になる。


◇一度下げた学習内容を急に上げることも出来ないだろうから、もとも
と高度な内容だった教科書では、さらにレベルアップする可能性がある
が、教育改革以来易しくなってしまった教科書は、多分、難度はそのま
まに据え置かれて、今までと同じようなやさしい教科書のままだろう。


◇入学した高校によって、教科書に大きな差が出てきてしまうから、高
校入学後、本人が頑張って勉強しても、なかなか高校間格差を埋められ
るようなものではなくなっていく可能性がある。以前とは、まったく違
う構造になってしまうといってもいい。


◇気が付くと今までのような普通科高校の序列はさらに拡大して、複線
化のような状態になる可能性が大きいのだ。ゆとり教育は、学力低下問
題を引き起こし、学力向上策を公に打ち出してもよい土壌を作り、そし
て、大衆教育とエリート教育を分けて、隠れた複線化の道を作ったのだ。


◇こんな騙まし討ちを私たちは、許すべきではない。国の教育インフラ
に関わる重要な問題だ。歴史が証明するように、一部のエリートに国を
任せてはいけないのだ。ゆとり教育は、明らかに教育の複線化をもたら
す仕掛けなのだ。

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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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