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« 中野 重治 || 三宅 雪嶺 »

「居残り」(前編)

ホントはそんなこと生徒に言わせちゃいけない。
それなのに。

国語では、小3だろうが、中3だろうが、どの学年も関係なく、授業の
最初に「漢字テスト」を行う。

テスト範囲は、前もって指定してあり、生徒は1週間でその範囲を練習
し、覚えてくる。

この「漢字」というのが、厄介で、効率の良い漢字の勉強の仕方は、も
ちろん指導するのだが、それでも、漢字練習を「苦行」と感じる生徒は
少なくないだろう。

やはり、特に男子に多い。毎日コツコツと練習を重ねるのは面倒だ。
その気持ちは非常によく分かる。僕もコツコツと、が大嫌いな子供だっ
た。でも「それをしろ」と言わねばならない立場だった。あぁ、心苦
しい。

ミスも多いため、小学生は、漢字練習ノートを必ず授業前にチェック
した。トメ・ハネも厳しくチェックする。

例えば、「改」という漢字。左側の最後の部分はハネてはいけない。ま
た、「比」は4画で書く。左部分は2画だ。「危」の中の部分を「己」
にしてしまう間違いが多い。

そうしたポイントを中心に見ていくのだが、20人ものノートを短時間
にチェックしなければならないので「見逃し」も発生してしまう。

「先生、これ、ちゃんとチェックしたのぉ~~?」と責められる。
こんなふうに言うのは女の子が多い。

年齢に関係なく、男という生き物は女性に頭が上がらないようにで
きているのだろうか。ふとそんなことを感じてしまう。女子からは
「しっかりして」とか、「元気出しなよ」とか、「先生も大変だね」
とか、そんなことをよく言われた。情けない大人である。

中学生になると、苦手な生徒や、結果が思わしくない生徒を除き、
漢字ノートはチェックしない。とにかく結果が出れば良し、とする。

漢字テストの合格点は基本的に満点である。満点でない生徒は居残
り再テストだ。

これは、中3難関国私立選抜クラスの生徒も例外ではない。彼らは
漢字テストのレベルも高めの設定である。難しい。でも、満点合格。

彼らは学力的に優秀だったからこそ、選抜クラスに入れたわけで、
それまでに居残りの経験なんてほとんどない。

さて、その年は近隣の校舎から多数の男子がT校舎の選抜クラス
へ集まった。もちろん、数学が得意な生徒が大半だ。

そのクラスの初めての漢字テスト。範囲となる漢字は1週間で75
問。同じ漢字の読みと書きがあるので、150ほど覚えてこなけれ
ばならない。

結果は、20人中、不合格者は、全員男子で、10人ほど。当初の
約束どおり居残りである。しかも、全員が居残り初体験であった。

○次回へ続く。
(生徒名は仮名です。)
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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