有島 武郎
お前たちをどんなに深く愛したものがこの世にいるか、或いはいたかという
事実は、永久にお前たちに必要なものだと私は思うのだ。
◇人間は、存在するだけで必ず誰かに愛されているものだ。親が子ども
を愛するのは必然だと思いたいが、そうでもないらしい。フランスの歴
史学が徐々に明らかにしているように母性本能なんてものは、人間には
無いらしいから、親子の愛情は、必然的なものではないのかもしれない
が、それでも親子の愛情は、どんな関係の間柄よりも持ちやすいものだ。
◇だから、今日の言霊は、ほとんどの子どもにとって真実だ。私たちは、
ある一時期、親の愛情を十分に受けて育っていたのだ。こんな惨めな自
分にも親は愛情をかけて、大切に思ってくれた時が少なくても少しはあ
ったのだ。この事実だけで、私たちは、多少は自信が持てるだろう。
◇私のことで言えば、本当ならば、グレていてもおかしくない境遇にあ
ったが、年老いた両親が愛情を注いでくれたお陰で、普通に育ち、大人
になった。ただ、境遇が境遇だけに、普通のサラリーマンのように上司
の命令を素直に聞くような人間になれなかったし、一つの会社に居続け
ることが出来なかったが、それでもここまで何とか生きてこれた。
◇困った時、どうしようもならない時、親父やお袋を思って、踏ん張っ
たことが何回となくあった。そしてこれからもきっと何回となくあるだ
ろう。こんな自分でも愛情を受けた経験があるのだ。その実感が勇気を
与えてくれている。
◇挫けそうな時に、親の愛情を思い出してみよう。こんな自分にも愛情
をかけてくれた親がいたのだ。その事実だけでも私たちは、強くなれる
はずだ。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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