「医師志望だった彼が学習塾の正社員に・・・」
◇医師と言えば、司法試験と並んで、最難関の国家資格です。その医師
を目指していた若者が町の小さな学習塾に就職したのです。
◇そんな彼のことを今回皆さんに伝えたくなったのは、正社員になった
途端、態度や雰囲気が大きく変化して、いかにも先生らしい、雰囲気を
醸し出しているからです。
この変化の原因やプロセスを知りたいと、彼に変化の様子を聞いてみま
した。
私:「自分でも恐らく変わっているのが分かるよね」
彼:「ええ。」
私:「何が君の行動をそんなに変えたんだろう?」
彼:「別に何があったわけではないのですが、自分が工夫して、生徒に
勉強を分かるようになってほしいと思っています」
私:「最近の授業をちょっと思い浮かべてくれる?」
彼:「ちょっと浮かびません。」
私:「あせらなくていいよ。最近印象に残っている授業を気軽に思い出
してみて、・・・誰がいる?」
彼:「洋介がいます。」
私:「他には?」
彼:「花子と太郎がいます。」
私:「彼らの表情はどんな様子?」
彼:「笑顔です。」
私:「他に何か見える?」
彼:「一生懸命問題を解いています。そして、時々『先生。ここわから
ない。』とか、私の質問に元気に答えています。」
私:「君の心の中でどんなことを言っている?」
彼:「『どうやったら、彼らが分かるだろう?』と言っています。」
私:「そんな様子を見て、体の感じはどうかな?体の重さとか、暖かさ
とか・・・」
彼:「身体は軽いし、胸の辺りが熱いです。」
(本当にうれしそうな表情)
私:「ところで、半年前や1年前の授業を同じように思い出してくれる?」
彼:「太郎と花子がいます。」
私:「二人の様子はどんな様子?」
彼:「下を向いています。」
私:「彼らの声は聞こえる?」
彼:「何も言ってくれません。」
私:「その様子を見て、自分の心の中で何と言っている?」
彼:「『どうしよう・・・』とあせっています。」
私:「身体の感じはどう?」
彼:「重いです。実はこの二人途中で退学しちゃったんです。何かしてあ
げられたんじゃないかと悔しいんです。」
(歯を食いしばって、本当に悔しそうな表情)
私:「半年前と今では、君の中でそんなに変わったんだ。」
私:「ところで、何で医者をあきらめて塾に就職しようと思ったの?」
彼:「あきらめたわけじゃないんです。30歳くらいまでには大学に行こう
と思っています。とりあえず、5年は塾でやってみようかと思って決めま
した。」
彼:「実は、僕は小児科医になりたいんです。」
私:「小児科と言えば、産婦人科と並んで、人気の無い診療科なのに、
何故、君は敢えて小児科なの?」
彼:「僕が小さいとき肺炎になりかけて、近所の医者に行ったんです。
その時の先生は、まずおもちゃを渡してくれて、僕を安心させた上で、
いろいろ僕の症状を聞いて理解しようとしてくれたんです。
そんな子どもの視点になれる、その先生みたいな医者になりたいと
思うようになったんです。」
私:「その先生(医師)って、今、学習塾で君が取り組んでいることと
似ているね。」
彼:「そうなんです。」
彼:「だから、学習塾の仕事と受験勉強とどちらも中途半端にするのでは
なく今は徹底的に、学習塾で子ども達を元気にしたいと思っています。」
私:「子どもを元気にすることでは、医者でも学習塾の先生も同じだね。」
彼:「もしかしたら、ずっと学習塾で働くことになるかも知れません。」
◇どうやら、彼は昨年の自分の力が及ばなかったという悔しい体験をきっか
けに職種を超えた自分の内面にあったミッションに気づいたのかも知れませ
ん。
◇彼が将来学習塾で子どもたちを元気にし続けるのか、小児科医として病気
を治して子ども達を元気にするのか分かりませんが、彼が接するすべての
子どもが元気になる様子が目に浮かびます。
「あなたは、なぜ、今の仕事をしているのですか(目指しているのですか)?」
「あなたは、その仕事を通して何を達成したいと思っているのですか?」
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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