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「居残り」(後編)

○前回のあらすじ

中3難関国私立選抜クラスでの初めての漢字テスト。
範囲となる漢字は1週間で75問。
同じ漢字の読みと書きがあるので、150ほど覚えてこなければならない。

満点合格のそのテストで、20人中、不合格者は、全員男子で、10人ほど。
当初の約束どおり居残りである。しかも、全員が居残り初体験であった。

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居残り再テストだが、同じテストをそのままやっても面白くない。
彼らは、難関国私立選抜クラスの生徒なのだ。

とりあえず、全員を席に座らせた。

変える方向が同じなので、居残り組みを待っている生徒もいた。
家が近い者は帰らせたが、遠い者は集団で帰らせたほうが良いので待たせ
ることにした。彼らには宿題をやるよう指示した。

「先生、何するんですか?」

一番前に座ったメガネに坊主頭の武生が質問する。

「同じテストやってもつまんないので、今日の範囲の中から1人ずつ、僕
が5題、ランダムに出題します。全部、クリアできたら終了です。今から
10分見直しの時間をあげますんで、自信のある人から挑戦してください。
では、ヨーイ、ドン!」

教卓で待つこと10分。最初の挑戦者は隼人だった。

「先生、早く早く、忘れちゃう!」

「そんな簡単に忘れるぐらいなら、意味ねぇだろ。じゃ、今から、問題
言うから、ノートに漢字を書けよ」

3問目の「『対照』実験」という初歩の同音意義語が書けずに不合格。

そして、次。雄介。

5問目の「発起人」を度忘れしてしまい、不合格。

こんな感じで続々と挑戦者がやってくる。4問目を過ぎると、
「よっしゃ、あと1問!!!」ってな調子で盛り上がる。

チャレンジ失敗に終わると、「うぉお!!」ともだえる。
かわいい奴等だ。

そのうち、合格した宏典も、「先生、俺もやっていい?」と挑戦してきた。
「お前、合格したろ」と言いつつも、出題してやった。案の定の一発合格。
「へへへ」と自慢して回る。

武生がボソっとつぶやいた。

「先生、居残りって、楽しいね」。

いやいやいやいやいや!
居残りなんて、楽しくちゃダメなんだよ。
もう、居残りなんてイヤだ、真面目に勉強してこよう!
と思ってくれなくちゃダメなんだよ・・・。

楽しそうな彼ら。
この居残りが大失敗に終わったことをそのとき、悟った。

(生徒名は仮名です。)

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     ◇◇◇ Global Thinking and Local Acting ◇◇◇
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