武者小路 実篤
自分でも何かのお役に立つのだ。このことは喜びである。
この喜びは自分の一生が無意味でないことを示している。
このことを幸福に感じるのである。
◇私が小さい頃は、日本はまだ貧しかった。かれこれ40年以上も前の
日本は、隣近所の人たちと貧しさを共有しているところがあった。どこ
かの家庭にカラーテレビが入ると、その家庭に見に行くのだ。こんなこ
とは今ではもう神話のようになってしまった。
◇暑い夏は、家から出て、家の前の道に椅子を置いて涼み、縁台の上で
将棋をし、子ども達は、線香花火をして遊び、大人の話を聞いたものだ。
そんな中で、一目置かれていたおじいちゃんが、いつも口にしていたの
が、「人様の役に立てるようになるんだ」、「社会の役に立つ人間にな
るんだ」ということだ。こんな話を子どもの頃に聞きながら、その当時
の悪ガキは、育っていったのだ。
◇最近の教育の議論にかけているのは、この点だ。教育は、自分のため
だけにあるのではない。教育を形成する様々なことは、昔からの積み重
ねだ。昔の人の苦労の結果を私たちは、簡単に受け取って、それで何も
恩返しをしないというわけにはいかないはずだ。教育は、自分のために、
他人のために社会のために還元してこそ、教育を受ける資格があるのだ。
◇生きている存在意義は、自分が他人と社会と繋がっているということ
だ。そのために、私たちは、何かを学び、学んだ結果を自分と他人と社
会に活かすことだ。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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