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こういうのが、学校の目指すことなのか!

【記事】和田中の「夜スペ」、補習にも拡大 業者が個別指導 

 朝日新聞(2008年5/11)より以下抜粋

○学校が終わった夜の時間帯に進学塾の授業「夜スペ」を行っている東
京都杉並区立和田中学校が今月下旬から、学校での成績にかかわらず希
望者全員が受けられるよう枠を拡大することを決めた。個別指導の民間
業者と新たに提携し、進学塾の授業で「難しい」と感じた生徒には補習
中心に行うことにした。

○夜スペは1月、和田中を支援する住民でつくる地域本部の主催で始ま
った。平日の夜と土曜日の週4回、和田中の教室に大手進学塾SAPI
Xの講師が出向いて3年生に教えている。現在の受講生は18人。もと
もとは、3月末で退任した藤原和博・前校長が「成績上位層の力をもっ
と伸ばしたい」と発案した。
 
○ほかの生徒は、地域本部が土曜日に補習の面倒を見ている。しかし中
3の内容になるとボランティアで教えるには限界があり、4月に就任し
た代田昭久校長が「もっと勉強したいという子には全員にチャンスを与
えたい」と、あらためて3年生全員129人に募集。新たに24人の応
募があり、実力テストをしたところ成績にばらつきがあった。そこで、
2カ月程度はSAPIXの授業を体験させ、進度が速すぎると感じる生
徒には個別指導でじっくり教えることにした。
 
○個別指導を担当するのは、家庭教師派遣業のトライグループ(二谷友
里恵社長)となる見通しだ。個別指導も、SAPIXと同じ料金で授業
時間も変わらない。(平岡妙子、上野創)

*私からのコメント

◇「夜スペ」に関しては、数回このメルマガで取り上げたが、今回も取
り上げる。3月にNHKの番組で、たまたま藤原氏と「夜スペ」の話を
一瞬した。藤原氏は、学校と塾の融合が素晴らしいという中身の議論を
していたが、この問題は、中身の議論ではなくて、手続きの議論が、大
切なのだ。「夜スペ」を擁護する人たちは、地域本部が、中心にやって
いるのだから、問題はないと言っているが、そういう建前で、この問題
を避けてはいけないように思う。

◇今回は、前回起きた批判を解消しようと思ったのだろうか、3年生全
員を対象に拡大して、「夜スペ」をやるというのだが、そうしたところ
で、問題は解決しない。前回は、一部の上位生徒を対象にしたサービス
だから、不公平だとか、優遇だとか批判が出た。だから、そんな批判が
出ないように、3年生全員に拡大したのだろう。しかし、そうしたとこ
ろで、問題は解決しない。24,000円という月謝の高さが、もう既
に払える家庭と払えない家庭を分けているからだ。

◇また「夜スペ」は学校と学校に選ばれた学習塾の癒着と、なんら変わ
らない。学校を学習塾に貸すだけの問題ではない。学校を支える地域本
部が、学校ぐるみで、学習塾の宣伝をし、その学校の生徒に「もっと勉
強したい人は、『夜スペ』に来なさい!」と働きかけるのだ。そして、
「『夜スペ』の授業が難しい場合は、個別指導で、丁寧に勉強を見ます
よ!」とメニューを拡大して、生徒獲得をしやすくしたのだ。この状況
が、問題なのだ。

◇そして、さらに問題なのは、学校の生徒を二つの構造に分けてしまう
可能性があることだ。つまり、学校の授業と土曜の補習、「夜スペ」の
サピックスの授業と個別指導という二つの軸に、生徒を分ける構造にな
ってしまうことだ。こういう構造になってしまうと、「夜スペ」に参加
している生徒が、半分を超えた時点で、生徒の意識が分断される可能性
がある。今は、3年生全体の32%しか参加していないので、問題には
ならないだろうが、半分を超えた段階で、学校の授業を中心に考えてい
る生徒と「夜スペ」を中心に考える生徒が、明確に分かれて、多分上手
い学校運営が出来にくい可能性があるのだ。

◇最後にもう一つ。この記事の中で「中3の内容になるとボランティア
で教えるには限界が」あると言っているが、本当にそうだろうか。学校
の授業の補習なのだ。学校の授業で教えた内容について、補習をしてい
るのだ。そういう視点で見れば、ボランティアの限界は、それほど問題
ではないのではないだろうか。受験指導という観点で語っているように
しか見えないのだ。

◇今回の試みをもっと問題のないものにしたいのであれば、こういう風
にしてはどうだろうか。学校に学習塾が、教室を貸すのだ。家賃をしっ
かり取って。どんな学習塾にも、学校を開放して、学校は、ただの大家
になればよいのだ。3年1組は、A学習塾。3年2組は、B学習塾に教
室を貸して、学校の夜間を有効活用すればよいのだ。当然、この学校の
中の学習塾には、その塾が、許可すれば、どんな学校の生徒も通っても
いいということで。

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