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秋葉原無差別殺人事件に思う。

【記事】「重大な事件を犯し申し訳ない」 加藤容疑者の両親謝罪 

 朝日新聞(2008年6/11)より以下抜粋

○東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人未遂の疑いで逮捕、送検され
た加藤智大容疑者(25)の両親が10日夜、青森市内の自宅前で報道
陣を前に謝罪した。

○謝罪会見が始まったのは同日午後7時25分ごろ。車で自宅に戻った
両親が事件後初めて報道陣の前に姿を見せた。両親は玄関前に並んで立
ち、母親(53)が一礼。父親(49)が「息子が重大な事件を犯し、
社会に与えた不安もかなりあり、本当に申し訳ございませんでした」と
はっきりした口調で話した。


○報道陣が事件前の加藤容疑者の様子などについて質問すると、「警視
庁の事情聴取を受けたばかりなので」と遮り、「謝っても謝っても償い
きれるものではないと思います」などと話した。記者会見中に母親が倒
れ、父親が抱きかかえるように室内に入っていった。


○加藤容疑者の両親は近隣でも教育熱心と知られ、小学校低学年のころ
から加藤容疑者にそろばん塾などの習い事をさせていたという。


○子どもが加藤容疑者と小中学校で一緒だった近所の女性は、加藤容疑
者が中学に進学したころ、反抗期を迎えた息子たちについて母親から何
度か相談を持ちかけられた。互いに子どものことを相談し合うことはな
かったため、記憶に残っていた。


○友人らによると、加藤容疑者は県立の進学校の高校に合格したものの、
成績は伸び悩み、一方で自動車に興味を持ち始めたという。進路につい
ても、4年制大学への進学を望んでいた両親の想いに従わず、自動車整
備関係の短大に進学したという。


*私からのコメント


◇まず、犠牲者の皆さんのご冥福をお祈り申し上げます。またその関係
者の方に、お悔やみ申し上げます。こんな事件が、二度と起こらないよ
うな社会にしなければなりません。そのために、この事件で考えたこと
思ったことを教育の側面から書きたいと思います。


◇下記のものは、6月4日に加藤本人が、書き込んだものだ。
(読売新聞からの抜粋)

5時51分 親が書いた作文で賞を取り、親が書いた絵で賞を取り、親
に無理やり勉強させられてたから勉強は完璧
5時52分 親が周りに自分の息子を自慢したいから完璧に仕上げたわ
けだ
5時53分 中学生になった頃には親の力が足りなくなって、捨てられた
5時55分 中学では小学校の「貯金」だけでトップを取り続けた 中
学から始まった英語が極端に悪かったけど、他の科目で十
分カバーできてたし
5時57分 当然、県内トップの進学校に入って、あとはずっとビリ 
高校出てから8年、負けっ放しの人生
5時58分 自分で頑張った奴に勝てるわけない


◇この書き込みを見て、私は、この事件は、親に対する復讐なのではな
いかと思った。それほど、この書き込みには、子どもと親の断絶が感じ
られるし、子どもの親に対する憎しみが、感じられる。


◇加藤容疑者の両親は、教育熱心だったのだろう。子どものために必死
に関与して、勉強を見ていたようだ。この書き込みを見ると「親が書い
た作文で賞を取り、親が書いた絵で賞を取り」と親の勉強に対する強い
関与と子ども時代に勉強等で注目を受けたことが書いてある。


◇多分、その頃の加藤本人は、そんな自分と親の関係をそれほど気にし
ていなかったのではないだろうか。むしろ歓迎していたのではないだろ
うか。しかし、中学生になってからは、その親の勉強に対する強い関与
だけでは、小学校時代のようには、行かなくなっていったのだ。そして、
自慢の息子の地位から段々外されていったのだろう。


◇だから、彼は、「中学生になった頃には親の力が足りなくなって、捨
てられた」と書いたのだ。この頃から、徐々に操り人形としての自分か
ら脱却しようとしたのではないだろうか。多分、高校進学でもきっと彼
には、葛藤があったのだろう。このままでは、親の期待には応えられな
いと。


◇しかし、親の期待と自分のプライドで、県内トップ高校へ進学したの
だが、高校生になってからは、学力競争についていけずに、劣等感が植
え付けられていったのかもしれない。そして、大学進学では、親から決
別することになる。もう、親の言うことを聞く必要がないからだ。落ち
こぼれの自分に親は必要ないと思ったのだろう。優越感や劣等感の源泉
も実は親の評価だったのかもしれない。


◇今回の書き込みは、その当時の感情ではなく、大人になってから子ど
も時代を振り返った時点で考えていることだ。あのころ、親の操り人形
になっていなかったら、こうなっていなかったという思いが感じられる。
親の言うなりになって、したくもない勉強をやらされていた自分が、勉
強を「自分で頑張った奴に勝てるわけない」と振り返るのだ。


◇この事件は、人生に負け続けた人間が、その人生の最後で、誰かに注
目されたいという思いが、起こさせたものかもしれないし、最後の彼の
自己顕示欲が起こしたものかもしれないが、彼のこういう人生を決定付
けた両親に対する復讐だと思えないこともない。親にしてみれば、良か
れと思って、教育に強く関与したのだ。こんな結末では、救われないだ
ろうし、子どもである加藤容疑者自身も救われるものではない。


◇紙面の都合で、結論を急ぐが、勉強は子どもが自律するための、道具
だ。勉強ができるようになることが目的ではない。勉強は、子ども時代
に目の前にある課題なのだ。その目の前にある課題に誠実に取り組むこ
とを子どもに要求するだけだ。勉強の結果を評価するために、勉強をさ
せることではない。勉強を競争の道具にしてはいけない理由もここにあ
るのだ。自律を促すものが、勉強以外にあるのならば、それでもいいの
だ。その程度のものが勉強だ。そう考えて見ることも重要なことだ。


◇もう一度確認して終わりたい。学校で優秀な成績をとることが勉強す
る目的ではない。勉強ができるできないを親が評価して、優越感や劣等
感の源泉にしてはいけない。そのために、勉強をどう考えるかを私たち
は、もう一度考えてみることだ。大人になってから、勉強することがで
きるようにしてあげればよいのだ。その程度のものなのだ。勉強なんて。


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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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