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« 井伏 鱒二 || 井上 靖 »

「『話を聴く』ということ」

◇以前にふとしたことで、仕事の相談を受けた31歳の女性がいました。
先日、突然電話がかかってきました。この女性というのが、有名大学を出
ているにもかかわらず、所謂フリーターとして、生活をしてきた人でした。

◇「30歳を超え、そろそろきちんと正社員になろうとしているのですが、
採用してもらえない」というのが、以前の相談でした。

◇そして今回、女性(A)は、
A:「あれから、このままではいけないと資格を取れる学校に通っていま
  す。」
私:「毎日?」
A:「週に一度です。」
私:「その他の日は、事務員としてアルバイトでもいいので働きたいと思
  っているのですが、なかなか使ってもらえません。」
私:「お金が必要なのはわかるけど、蓄えは?」
A:「ないわけではないですが、親に心配もかけられませんから・・・」
私:「どんな仕事がいいの?」
A:「やはり事務がいいのですが、電話応対は自信がありません。
  それから、週に2日は、学校もありますし、他の事に使いたいので、
  週5日ぐらい勤めたいのですが・・・」

◇「何を甘いことを・・・」と感じましたが、もう少し彼女の気持ちに寄り
添ってみることにしました。

私:「ところで、今回電話をくれたのは、私に何を期待しているのですか?」
A:「『もやもやしてるのを整理してもらえるかな』と思って・・・」
私:「わかりました。ところで、どうも話を聞いていると、『何が何でも
  仕事を見つけるんだ。したいんだ。』という感じがしないのだけれど。」
私:「もしかしたら、仕事が決まらないでもやもやしているのとは違うん
  じゃないのかな?」
A:「仕事をしていないと、『このままでいいのかな?』と不安になります。」
私:「だから、不安を解消しようと思って仕事に就きたいと思っているんだ
  ね。」
A:「そうです。」
私:「さあ、そんなあなたが採用面接に言ったら、会社の方はあなたを
  どれくらい採用したいと思うだろうね。」
A:「きっと、採用してくれませんね。『全然自信がない。』と思われると
  思います。」
私:「君は、もしかしたら自信をつけようとして、資格の学校に通い始めた
  のではないですか?」
A:「そうです。」
私:「なのに、日数の問題だけではないけれど、自信をつけるには物足り
  ないと感じているのではないかな。もし、そうだとしたら、自信を
  つけるために、今まで『やりたいな~』と思っていて、しり込みして
  やってこなかったことを探してみて、今できそうなことから始めたら
  どうだろう?」
A:「そうですね。今までの資料などを探してみます。」

◇最初は、就職の悩みのようでしたが、よくよく聞くと、それも含めた不安
の解消だったようです。

◇会話の前半で、「仕事をなめるな!」とか「甘い」とかいった短絡的な
言葉を発しなくて良かったと胸を撫で下ろしました。

自分の意見や評価を棚上げして、人の話を聞くということは、非常に大切な
ことであり、誠に大変なことです。

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☆★☆ 編集後記 ☆★☆
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梅雨に入り、曇りや雨の日が多くなりました。既に九州地方では、大雨の
被害が出ているようです。水は確保したいものの、多すぎる雨で、災害に
ならないことを祈るばかりです。

さて、梅雨の晴れ間という言葉がありますが、この時期青い空が見える日や
時間は心にとっても貴重です。でも、こんなにも貴重に感じるのは、ぐず
ついた天気が続くからですね。

晴天のありがたみを存分に味わえる演出を梅雨はしてくれているのかもしれ
ません。

真夏のぎらぎらした晴天続きには、逆にうんざりしますものね。

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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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