「保護者会」(後編)
○前回のあらすじ
保護者会で初めて話すこととなった。
一回目のリハーサルでは、ダメ出しばかりだった。
次回のリハーサルまでに修正しなければならない。
ただ、自分としての目標があり、それは、ぜひ達成したかった。
持ち時間は7分。
1回目のリハーサルでは12分だった。
2回目のリハーサル。内容を絞りに絞った。
ほんの3分ぐらいで終わってしまうんじゃないの、と思ったが、しゃべ
り終えると、7分程度。「しゃべりすぎるから、少ないと思うぐらいが丁
度いい」というアドバイスをT室長からいただいたのだが、そのとおり
だった。
そして、当日。
F教室の中学受験生の保護者の方々が100人ぐらいお集まりになった。
プログラムは、
・中学受験概況
・各科目の担当より
・教室の指導方針と今後のスケジュール
といった内容だ。
本当は「各科目より」は、最後のほうがいいのだが、話の上手い室長を
最後に持ってきたほうが、良い印象で会が終了するという考えがあった。
ちなみに各科目のトップバッターは国語の僕だ。
受験概況について話すため、ブロック長のN先生も、やってきた。
「おぉ、荒木、大丈夫か?」とN先生。
「大丈夫です、本番に強いタイプですから」
僕がそう言うと、N先生は微笑んで、
「そうやって自分に言い聞かせてんだろ!」と一蹴した。
まったく、そのとおりなので、反論はできない。
会が始まる。
N先生の持ち時間は30分。
どうせなら、思いっきり延長して、僕のパートがカットになればいいの
に、と「本番に強いタイプ」の僕は思う。
が、そんなこと、起ころうはずもなく、時間通りにN先生の話は終わり
を迎えた。
そして、いよいよ、というとき、N先生の驚愕の一言。
「ありがとうございました。では、次は各科目の担当より、お話さしあ
げますが、トップバッターの荒木は、保護者会デビューで、裏で今頃、
思いっきり緊張していると思いますので、皆さん、温かい目で見守って
やってください」。
その言葉に対して、保護者の方々が笑う。
まったく、出づらいったら、ありゃしない。
なんだか、子供を見守るようなお母さま方の視線にさらされながら、
話を始める。
持ち時間7分。その間に絶対、笑いを1回とる!それが僕の目標だ。
リハーサルどおりに話を進めながらも、ちょっとだけ、自分なりの
アレンジをされに加えた。
「5年、6年は現在、週に2回、授業があります。それぞれの授業
の最初に漢字テストを行います。
週の2回目の授業のときは、1回目と全く同じテストを行い、その
週に覚えなければならない漢字を完璧にマスターします。2回目の
テストは、皆さん、だいたい満点かそれに近い点数を取ります。
もし、お子さんが、おうちで、満点の漢字テストを持ってきても、
絶対に『これ、何回目のテスト?』って聞かずに、素直に褒めてあ
げてください」
無事、持ち時間終了。教室を出ると、理科担当のU先生が、右手を
差し出してきた。がっちりと握手。
こうして、保護者会デビューは終わった。しかし、その後、何度か
話すのだが、緊張がなくなることは、ない。人前で話すのは、やっ
ぱり苦手である。
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◇◇◇ Global Thinking and Local Acting ◇◇◇
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