大人になるということに教育的な関心を持とう!
【記事】八王子殺傷で容疑者、親の関心引くため「大事件起こせば…」
読売新聞(2008年7/24)より以下抜粋
○東京都八王子市の京王八王子駅ビル9階の書店で22日夜、女性2人
が男に包丁で刺されて死傷した事件で、警視庁に殺人未遂容疑で逮捕さ
れた会社員菅野昭一容疑者(33)が「親が話を聞いてくれないので、
大事件を起こせばマスコミに名前が出ると思ってやった」と供述してい
ることがわかった。
○菅野容疑者は「数日前からいらだっていた」とも話しており、同庁は
何が犯行の直接の引き金になったか調べている。
○同庁幹部によると、菅野容疑者は、動機について「仕事がうまくいか
ずにムシャクシャしていた」と仕事上のトラブルを挙げていたが、新た
に「人間関係も含め、2~3日前からイライラしていた」などという供
述を始め、親に相談しても耳を傾けてくれないため、両親を振り向かせ
るために無差別殺人を決意したという趣旨の話もしているという。菅野
容疑者の父親(69)は23日朝、報道陣の取材に応じて「仕事の相談
はなかった」などと、相談の事実を全面的に否定している。
○菅野容疑者は22日昼過ぎに自宅から徒歩で外出、同日夕、京王八王
子駅ビル近くで凶器の包丁を購入し、リュックサックに隠して駅ビルに
向かっていたことも判明。また司法解剖の結果、死亡したアルバイト店
員の中央大学4年斉木愛さん(22)の左胸の刺し傷は一突きで心臓ま
で達していた。
*私からのコメント
◇今回の事件もあってはならない事件だ。今年に入って無差別殺人と思
われる事件が8件近く起こっているが、こんな事件は、二度と起こしては
いけない。「誰でもよかった」と言って、赤の他人を殺すことを私たち
は、絶対に認めるべきではない。
◇何の関係もない人間を殺傷しておいて、いろいろな言い訳をしてみて
も駄目だ。こんな人間がこの社会にもう二度と出ないように、私たちは、
考えるべきだ。
◇このような無差別殺人事件が起こると、ますます、教育の中身を問い
たくなってくる。教育問題を学力問題にしてしまった昨今の教育情勢を
もう一度、ひっくり返さなくてはならないだろう。
◇教育問題の主眼は、子どもが大人になるということだ。子どもが社会
の構成メンバーとして一人前になるということだ。そのために、勉強と
いう課題を課して、自己コントロールする機会を作り、社会的なルール
や他者に対する想像力を培っていくことなのだ。
◇だから、勉強は手段だし、そこで獲得した学力のようなものは、副次
的なものだ。学力をつけることが、教育の目的ではないのだ。学力をつ
ける鍛錬をすること(=勉強)で、自分のやりたいことだけではないも
のをやり、自分の知りたいことだけではないものを知り、そして、自分
のわがままが、自分のためにはならないことを学ぶために、たまたま勉
強という鍛錬が必要なのだ。だから、勉強以外の鍛錬も当然必要になっ
てくるし、勉強と同等の教育プロセスなのだ。そして、こういう鍛錬を
通して、社会の構成メンバーとして一人前になる下地作りを成し遂げて
いくのだ。この過程が教育の過程だ。
◇もうそろそろ、私たちは、学力忠誠競争から降りて、教育を一人前の
大人を育てる方向へ導こう。そうしない限り、今回のような事件は、ど
んどん増えていくことだろう。私たちは、他人とつながっている限りに
おいて、社会の構成メンバーであるのだ。全ての人間が、このことの自
覚をしっかり持つことが出来るようにしなければ、危なくて外が歩けな
い状況になってしまう。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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