「文学史」(前半)
講習中は学校の授業がない。
いや、むしろ、学校が長い休み期間だからこそ、塾で講習をやると言ったほ
うが正しいだろう。
いずれにせよ、毎日、塾で勉強してもらえるというのはありがたいことであ
る。特に夏期講習は期間が長い。毎日の教材研究は死ぬほど大変なのだが、
夏期講習用の特別なカリキュラムでガンガン授業が進んでいくのは気持ちが
いい。
中3難関国私立高校受験クラスの国語の授業は、毎年「文学史」を扱った。
長い夏期講習を利用して、奈良時代に始まり、現代までの有名文学作品の作
者や内容を一気に教える。
ただ、覚える数が半端ない。最初のうちはまだ良い。歴史でも習うような有
名な古典作品が多いからだ。
例えば、古事記、枕草子、古今和歌集、徒然草、・・・・。国語の教科書に
も載っているおなじみのものも少なくない。
ところが、近代になってくると、彼らの知らない人物も登場してくる。夏目
漱石や芥川龍之介あたりは問題ない。樋口一葉なんて、お札になる前なんて、
知ってる生徒は少なかった。
有島武郎や谷崎潤一郎、武者小路実篤に志賀直哉。このあたりはよっぽどの
読書好きでないと読んだことはない。名前すら知らないという生徒だって珍
しくない。
毎年、時代背景、作品名と作者。有名作品は簡単な内容を話して聞かせるの
だが、定着はあまり良くない。
もちろん、一回教えただけで覚えるとは僕も思っていない。夏期講習が終わ
ってからも何度も繰り返し演習を重ね、忘れているときには、「ほら、夏に
話しただろ!」と言うのだが、「えぇ、そんなのやったっけ?」という反応
が返ってくることも何度かある。
そこで、ある年の夏期講習。なんとか後々までも覚えておいてくれるように、
一計を案じることにした。
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◇◇◇ Global Thinking and Local Acting ◇◇◇
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