教育格差を生んだのは、誰なのか!
【記事】塩谷文科相が就任 教育格差「あってはいけない」
朝日新聞(2008年9/29)より以下抜粋
○麻生新内閣で塩谷立(しおのや・りゅう)文部科学大臣が新たに
就任した。総選挙が迫るなか、山積する教育の課題にどう取り組む
のか。25日の初登庁後、記者会見や報道各社のインタビューで発
言した内容をまとめた。
【教員の質】
教員養成という問題をもう一度、洗い直していかないといけない。
本当にすばらしい教師とはどういう教師か。子どものために誠心誠
意、全霊を傾けるのが教師の使命と自覚してもらう状況を作る。
【道徳教育】
学習指導要領の新しい内容で道徳教育が始まる。基本的な生き方、
モラルなり秩序なりを保つために何が必要か。教材作りの予算要求
もしているので、しっかり実行に移していきたい。
【教育格差】
親の所得、経済的状況によって教育が受けられないということが
あってはいけない。子どもたちに等しく教育を受ける機会を保障す
ることが国の役割。義務教育は授業料はないから、高校以上、特に
生活保護世帯への支援、奨学金制度も利用しやすくしたい。
【教育予算】
欧米諸国と比べて親がかなり負担している感が強い。例えば消費
税の議論の中でも(福祉だけでなく)教育費として必要という議論
をしていく必要がある。
【中山国交相の「日教組が強い県は学力が低いことを確かめるため
に全国学力調査を始めた」「(調査の)役目は終わった」との発言
を受けて】
持論だったと思うが、それは1議員としての考え方で、大臣とし
ての発言ではない。 当時考えてやったかもしれないが、それだけ
の目的でこれだけのテストをやるわけがない。ある程度、そういう
ことも測れるというのでやったのが事実なのかもしれない。
【全国学力調査】
子どもたちの学力がどの程度なのかということは国として把握し
ていく必要がある。同時に、子ども自身が自分はどの程度のレベル
かということを点検できるような形としてやっていく。むしろ毎学
年毎年やって1年間どうだったのか、他人との比較でなく自分がど
うだったのか、そういう仕組みができるといい。予算もかかるから
簡素化したりしてできるといいなと思う。
公表は基本的に市町村がどう判断するかでいい。序列化を図るの
ではなく、個人のレベルを測るのが一番の目的だ。
(大西史晃、上野創)
*私からのコメント
◇新しい文部科学大臣が、いつまでその職に就いているのか分から
ないが、ぜひ、考えてもらいたいのが、「教育格差」と「経済格差」
の関係だ。この記事から見ると、大臣は、「経済格差」が「教育格
差」を生むのは、高校以上からだと思っているふしがあるが、そん
なことはない。
◇経済格差は、基本的に教育格差に跳ね返ってくるのだ。教育が、
社会構造の再生産装置である限り、親の経済力が、教育に反映し、
教育格差を生む。経済格差と教育格差は、密接な関係にある。この
点をしっかり理解してほしい。その前提で、教育格差を考えてみる
と、教育格差を最小限に抑えるためには義務教育が、非常に重要に
なるのだ。
◇2002年の教育改革のように、近年は「教育の自由化」を推し
進めてきたが、その解消を徹底的に行なうことだ。学習指導要領の
ミニマムスタンダードをもう一度、マキシマムスタンダードに戻す
ことだ。最低限の水準で教えるのでは、経済格差が色濃く反映して
しまうためだ。
◇なぜならば、経済力のある親は、自分の子どもにさらに多くの知
識を獲得させようと、学校外の教育投資を行なうからだ。教育の自
由化は、高校以上からではなく、義務教育段階から、教育格差が大
きくなってしまう結果をもたらす。この解消を考えることだ。
◇教育格差を大きくしたのは、実は2002年の教育改革なのだ。
この点をしっかり認識して、文部行政の指揮を執ってほしい。
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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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