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学校選択制の導入の目的が、失敗を招いた?!

【記事】前橋市「学校選択制」を廃止県内初生徒数半減などで
(群馬)

 読売新聞(2008年9/29)より以下抜粋

■学力テスト 知事が方針

○前橋市教委は26日、臨時会を開き、2004年度に導入した
通学区域外の公立小中学校への進学を認める「学校選択制」を、
10年度の新入学後に廃止することを決めた。県教委によると、
学校選択制は県内9市町村が導入したが、廃止を決めたのは同市
が初めて。廃止する主な理由には、「児童・生徒と地域との関係
の希薄化」に加え、児童・生徒数の格差が加速し、ある学年が2
学級から1学級となるなど、小規模校が、「学習環境やクラブ活
動に支障が生じている」という危機感を募らせていることなどが
挙げられている。

○同市は、特色ある学校づくりなどを目的に、小学校は自宅から
直線距離で4キロ、中学校は同6キロ以内で、人数枠を設けて学
校を選べるようにし、今年度までに計1538人が制度を活用し
た。
 
○同市教委によると、導入後は、自宅近くの区域外の学校に進学
して通学の安全性が向上したり、生徒が希望のクラブ活動に取り
組めたりなどして、一定の成果があった。
 
○しかし、ある小規模な中学校では過去5年間で、全校生徒が約
150人に半減した反面、大規模校では、ほぼ同数が増えたケー
スがあるという。
 
○増減の要因としては、人数が増えた学校は、充実したクラブ活
動や学習環境を、減少した学校は、校内暴力など過去の不祥事に
端を発した風評などを挙げている。
 
○今回の見直しで、11年度以降、児童・生徒は原則、通学区域
内の指定校に通う。ただ、学校選択制の利点も残すため、自宅と
希望校との直線距離が指定校との距離の半分以下となる場合など
は学校変更を可能とする。
 


*私からのコメント

◇学校選択制をいち早く導入したのは、東京都品川区だ。教育長
の若月氏は、学校を変え、教師の意識を変えるために、この学校
選択制を導入したとあるインタビューで言っているが、学校間に
競争原理を持ち込み、生徒獲得競争を仕掛け、その仕掛けで学校
長や教員の意識を変えようとしたのだ。


◇結果としては、地域間の格差が、学校にも影響を与えることと
なり、生徒獲得競争の土壌に学校を乗せたことで、学校間格差を
助長し、義務教育機関である公立学校を荒廃させた面もあろう。


◇学校選択制の導入は、実は生徒のためになされたというよりは、
教員の意識改革のカンフル剤だったということだ。今回の記事に
あるように、学校選択制の弊害は、導入する前から分かっていた
はずだ。世の風潮に教育が乗った結果、こんな事態になってしま
ったのだ。


◇教育の自由化は、義務教育の中では上手く機能しない。そんな
ことは、もう随分前から分かっていたのに、それを無視して、踊
らされた結果、学校間格差を招き、そのツケを教育弱者である低
所得層、教育に関心の薄い保護者・生徒に負わせることになって
いった。


◇昨今の日本の教育論議の風潮は、エリート教育の傾向を強めて
いるが、このメルマガでも何回も言うように、一部のエリートを
作るための教育には、意味はない。


◇特に、義務教育は、全体を押し上げてこその教育インフラとし
なければならない。平均的に押し上げる方向で、教育改革を進め
ない限り、国力は、向上してはいかないものだ。義務教育を自由
競争にすれば、インフラはズタズタになって、学力の二極化をさ
らに大きくするだけだ。


◇そんな状況の中でエリートだと言ったって、誰が尊敬するだろ
うか。もともとの発想が、間違っているのだ。教育行政を担う人
たちは、もっと真剣に考えたほうが良いように思う。

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◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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